マクドナルドの「ドライブスルー」1号店、どこか知ってる? 車に乗ったまま簡単購入、コロナ禍で再注目の業態に迫る

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ドライブスルーは、自動車から降りることなく商品を購入したり、いろいろなサービスを受けたりできる。このような利便性だけでなく、人に見られたくないといったニーズにも対応している。

開発をけん引したマクドナルド

CoCo壱番屋のドライブスルー(画像:(C)Google)
CoCo壱番屋のドライブスルー(画像:(C)Google)

 わが国では、マクドナルドがドライブスルーの開発をけん引した。1980年代に全国で都市郊外の開発が進捗(しんちょく)してくると、幹線道路沿いにマクドナルドをはじめとするファストフードのドライブスルー店舗も増加しはじめる。

 当初は若者の飲食業態といった印象があったハンバーガーショップだが、マクドナルドは子連れファミリーなど、ファストフードの客層を拡大し、車を運転する母親が増えたこともあって、郊外店での利用者が増加していった。

 混雑時には入店できなかったり、駐車場の空スペースがなかったりしたこともあり、限られた規模で効率的に客をさばくためにもドライブスルーが活躍した。首都圏では環状七号線などの幹線道路沿いにドライブスルーが集積していった。地方都市では首都圏よりも自動車が不可欠な環境となり、人口が多い地域ではさまざまなドライブスルーが発展していった。

 現在、国内で代表的なドライブスルーはマクドナルド・モスバーガーなどのハンバーガーチェーン、すき家・吉野家などの牛丼チェーンをはじめとした大手ファストフードチェーンが中心で、おおむね総店舗数の多さに準じてドライブスルーの数も多く見られる。

 突出してドライブスルーの多いマクドナルドやすき家では、人口の多い都市部の幹線道路沿いで近い位置に複数店舗出店していることもあり、最初の店舗で気づくのが遅れて入れなくとも次の店舗をすぐ見つけられるようになっている。

 いわゆるファストフードチェーン以外にも

・スターバックス
・はま寿司
・CoCo壱番屋
・リンガーハット
・銀だこ
・幸楽苑
・いきなりステーキ
・デニーズ

といった、多彩な外食チェーン店でドライブスルーが導入されている。また、北陸ローカルでは8番ラーメンのドライブスルーが多く見られる。

 コロナ禍では、売り上げ確保のためにテイクアウトをはじめた飲食店が多く、チェーン店でなくても感染対策のために簡易的にドライブスルー的な対応を行った店舗が見られた。

 変わったところでは、コロナ禍で客足の遠のいた横浜中華街で、登録している店舗のテイクアウトメニューを事前に注文すれば、どの店舗のものでもすべて駐車場で一括して受け取れるドライブスルー的なサービスが実施され、メディアでも話題になった。

 飲食業態以外にもさまざまなドライブスルーがある。

 例えば、クリーニング店、ドラッグストア、メガネ店、質屋、銀行の現金自動預払機(ATM)など。PCR検査のドライブスルーも記憶に新しい。ドライブスルーは利便性だけでなく、

・人と接したくない
・人に見られたくない

といったニーズにも対応している。ドライブスルーならば、ばったり近所の人に会うこともなく、特に身なりに気を付ける必要もない。