コロナ後の「旅行需要」結局どうなる? 飛行機は?鉄道は? エコノミストが最新データで大胆予想する

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日本における、新型コロナウイルスへの警戒感が低下している。感染状況がこのまま小康状態を続ければ、観光支援策の後押しなどもあり、自主的に制限されていた移動はさらに緩和される可能性がある。

コロナ前に戻りにくい鉄道需要

鉄道(画像:写真AC)
鉄道(画像:写真AC)

 鉄道も、コロナショックに伴う行動制限の影響を大きく受けた分野だ。

 事実、前述の第3次産業活動指数によれば、鉄道業活動指数(季節調整値)はコロナショック前から4割以上落ち込んだ。しかし、直近4月にはコロナショック前の8割まで水準を戻していることからすれば、当面は人の移動の増加により回復を続けることが見込まれる。

 さらに、政府の打ち出し通り、県民割の全国展開が認められることになれば、旅行を中心に鉄道需要にもさらなる追い風になることが期待される。

 しかし、ビジネス関連の鉄道需要がコロナショック前に戻るのは高いハードルと言わざるを得ないだろう。

 背景には、コロナショック以降に一部でテレワークが定着したことや、一部のビジネスが対面からオンラインにシフトしたことがある。このため、鉄道需要全体がコロナショック前の水準に近づくためには、いかに経済規模の拡大に伴い旅行需要が拡大するかにかかっていよう。

 というのも、コロナショック以前のデータでは、名目国内総生産(GDP)が1%拡大すると鉄道業活動指数が

「0.34%」

拡大するという関係がある。

 このため、通勤や出張等の需要をコロナショック前の水準に取り戻すことは困難だが、

・経済規模の拡大に伴う旅行需要の拡大
・ワーケーション(滞在している観光地や帰省先などで働くこと)などの新たな市場の取り込み

に成功すれば、時間はかかるが、鉄道需要をコロナショック前の水準に取り戻すことは不可能ではないと考えられる。

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