東武鉄道「新卒初任給」引き上げの衝撃! 人材不足は最新技術に頼らず、「待遇向上」で補え
東武鉄道の新卒初任給引き上げが話題になっている。この対策は鉄道会社の人手不足解決の一端となるか。
高卒初任給「18万1500円→20万円」

東武鉄道(東京都墨田区)の新卒初任給引き上げが話題になっている。同社が6月20日に発表したプレスリリースには、「東武鉄道(本社:東京都墨田区)および、主に当社鉄道事業に係る業務を受託する機能別会社4社(東武ステーションサービス株式会社、東武エンジニアリング株式会社、東武インターテック株式会社、東武シェアードサービス株式会社)では、優秀な人材の確保、社員の働きがいの向上などを目的に、若年層を対象とする給与の重点配分施策として、2023年春までに段階的に新卒初任給を引き上げ、高卒初任給については20万円台とします。2022年度については下記のとおり新卒初任給および若年層の基本給引き上げを実施します」と書かれている。
東武鉄道(ポテンシャル採用入社者。大卒・大学院修了)の2021年度の新卒初任給は21万8500円から、23万円(2023年度)に、機能別会社(高卒)の2021年度の新卒初任給は18万1500円から、20万円(同)に引き上げられる。
ほかの鉄道会社の高卒初任給を見ると、
・小田急電鉄:17万8100円
・京王電鉄:18万1500円
・京成電鉄:18万2000円
などとなっている。今回の賃上げで、東武鉄道が頭ひとつ抜けた。
この背景にあるのは人手不足だ。給与水準を底上げすることで、優秀な人材を確保したいという意図がある。コロナ禍で利用者の減少の影響が著しい鉄道会社だが、人手不足はコロナ禍前から存在している。また、コロナ禍で各鉄道会社が終電繰り上げに踏み切った理由にはこういった要素も大きかった。