「コロナの嵐」吹き荒れる20年4月 ANAが公開した「機内写真」は航空事業者の矜持そのものだった!

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2020年4月22日、ANAが公開した写真。そこにはコロナ禍における航空事業者の必死の努力があった。

固定費削減に追われた日々

羽田空港(画像:写真AC)
羽田空港(画像:写真AC)

 コロナ禍突入後に話を戻そう。当然のことながら、売り上げが消えても固定費は消えない。

 そこで航空各社はこぞって固定費削減に踏み切った。まず、日系航空各社においては、

「機材の運用方法」

にメスを入れた。

 機材の退役を当初の予定よりも前倒しし、売却益の収受や航空機材賃借費(リース費)の削減を図りつつ、機材自体を減らすことにより整備部品・外注費(機材維持費)を浮かせたのだ。

 続いて、人件費にもメスを入れた。国からの雇用調整助成金を収受しつつも早期退職募集を行い、従業員数を減らそうとした。そして残った従業員に対しては給与カット、長期休職制度(会社に在籍はするものの給与支払いは無しの状態)の導入、そして官民問わずさまざまな業種の法人へ大量の社員を出向させた。

 外資系航空会社はさらにひどい様相だった。公に報道されていないため実社名の公表は控えるが、日本各地に多くの就航実績を持つ、某国のフラッグシップ航空会社であるB社を例に解説する。

 B社の固定費に対する切り込みは、機材に対しては日系航空各社と同様の対応だったが、特に人件費に対してはすさまじかった。同社の日本エリアにおける対応を例に挙げると、日本における営業拠点を6拠点から3拠点へと半減させ、さらに日本エリアにおける従業員数を100人から50人へと半減させた。

 残った50人もかなり厳しい状況に置かれた。社員のひと月あたりの出社日数を週1日程度に制限し、出社日以外は全て無給扱いとなったのだ。「給与カット」という言葉を使うならば、日系航空各社と同じ対応のように聞こえるが、日系航空各社が1~2割カットだったことに対して、B社は事実上

「8割カット」

という信じられない割合だった。

 ここまで血を流したにもかかわらず、結局B社は経営破綻した。B社がこのような結末を迎えたのは非常に残念だが、世界には同様に厳しい対応をしながらも最終的に破綻した航空会社がいくつも存在する。

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