鳥取県知事が難色 特急「1時間に1本」自民県連政調会の提出案は一体どこが問題なのか?
自民党鳥取県連政務調査会がまとめた、鳥取県内の鉄道利便性向上に向けた調査結果が話題に。調査では、特急が1時間おきに発着する独自ダイヤの再構築案を示している。
平井知事、再編案「簡単には乗れない」

こうしたなか、6月14日の鳥取県議会で、平井伸治知事は自民党県連の再編案に対して
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「智頭急行の経営が成り立たなくなる。簡単には乗れない」
との見解を表明。またこれまでもJR西日本から、スーパーはくとの姫路折り返しを内々で提案されたことがあるとした。
再編案では、車両使用料がなくなる部分を運行本数の増加で埋めることを前提としているが、もくろみ通りにいく保証はない。
智頭急行のウェブサイトには2019年度以降の輸送人員が公開されていないが、スーパーはくとの状況は
●2017年
輸送人員:63万8622人(前年度比101.5%)
平均乗車率:47.8%
●2018年
輸送人員:61万1856人(同95.8%)
平均乗車率:47.2%
となっている。
現状はコロナ禍で激減しているが、今後回復しても利用者はこれが限界値だろう。運行本数を増やしても、残念ながら利用者は急増しない。
かつて、鳥取県は温泉地が関西の奥座敷として栄えていた。関西から鳥取県に向かう優等列車が多く設定されていた理由は、そのためだ。
三朝温泉は今ではひなびているが、皆生(かいけ)温泉はいまだに歓楽街としての雰囲気が残っている。ただ、歓楽街による観光客の誘致は、もはや時代にはそぐわない。となると、観光あるいは産業で関西方面と行き来する人の数を増やさなければならない。運行本数をいたずらに増やしても、問題は解決しない。