JALが7年ぶりANAに勝利! コロナ禍の旅客数、浮き彫りになった決定的な「両社の差」とは

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新型コロナで多大な影響を受けた日本発着の国際線が、やっと再開し始めた。JALの2021年度の国際線旅客数は89万2471人と発表され、一方ANAは82万5524人で、ANAを抜いてトップに立つのは7年ぶりとなる。

両社の差は国内線の機材やサービスでも

JALの国内線「A350」型機(画像:シカマアキ)
JALの国内線「A350」型機(画像:シカマアキ)

 この2年余り、海外渡航が制限されたのもあり、筆者は国内線の利用がメインとなった。利用者の立場からもここ数年、両社の「違い」がはっきり感じられる。

 まず、JALは使用する「機材」が新しい。例えば、東京(羽田)-大阪(伊丹)、福岡などの基幹路線の場合、両社とも大中型機での運航が主流だ。JALはここ数年、従来のボーイング777や767に代わり、最新鋭の787やエアバスA350を投入。JALの機材更新はコロナ前から計画されており、コロナ禍も予定通りに新機材を受領(じゅりょう)し、古くなった機材は海外へ売却している。

 一方、ANAは新機材をここ数年で導入できていない。787のローンチカスタマーとしてこの十数年で787シリーズを次々導入してきたが、それも年数を経て軒並みやや古くなってきている。767もまだまだ現役で活躍している状況だ。

 機内の座席(シート)にも違いがある。JALの国内線向け787やA350の場合、座席に個人テレビモニターがあり、USBポートに加えて電源も全席にある。一方、ANAでは同様のシートはごくわずか。座席にUSBポートがあれば良いほうで、電源は皆無。コロナ禍で国際線仕様の787も国内線で運用されているものの、そのシートももはや古い。

 しかも、JALでは搭乗から降機まで充電できるのに対し、ANAでは上空でのシートベルト着用サイン消灯時のみと限られている。機内Wi-FiサービスもJALが先行。導入当初は接続できないトラブルが多かったが、近年は改善された。ANAは後発で、いまだつながりにくいことが多々ある。

 両社の便が運航されている路線は競合しており、運賃は基本同額だ。しかし、残席状況によって運賃が変わる仕組みなので、売れ行きが偏ると運賃にも差が出る。数年前から

「JALよりANAのほうがちょっと安い」

との声も聞かれる。

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