「タイムズカー」個人情報660万件漏洩の衝撃! クルマをすぐ借りられる便利さに何が起きているのか? 無人サービスの本人確認で転換を迫られる「ホ方式」とは

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タイムズカーで起きた最大約660万件の情報漏洩は、利便性を追求した無人ビジネスのリスクを浮き彫りにした。長期間保持された免許証などの画像漏えいは、「ホ方式」廃止を目前に控えるeKYCの限界も露呈。JPKIへの移行が急務となる中、安全性とUXをどう両立させるか。社会インフラとしての認証基盤のあり方が問われている。

取引コスト削減の代償と「ホ方式」廃止

「ホ方式」は券面画像とセルフィー画像を要求する(画像:金融庁)
「ホ方式」は券面画像とセルフィー画像を要求する(画像:金融庁)

 オンライン本人確認(eKYC)において、「犯罪収益移転防止法施行規則第6条第1項第1号ホ」に定められる方式は、長らく主流であり続けた。一般に

「ホ方式」

と呼ばれるこの仕組みは、運転免許証などの写真付き本人確認書類の画像と、スマートフォンなどで撮影した本人の顔(セルフィー)画像を送信し、照合する形をとる。

 金融機関の口座開設やシェアリングサービスなどで広く普及した背景には、取引コストの大幅な削減がある。経済活動には

・探索コスト
・契約(決定)コスト
・執行・監視コスト

がともなうとされるが、「ホ方式」は利用者が思い立った瞬間にスマホで撮影するだけで登録し、すぐに車へ乗れる手軽さを生み、申込みにかかる手間を極限まで減らした。事業者は、膨大な画像管理にともなうセキュリティリスクや目視審査の運用コストを自ら引き受けることで、会員数を大きく伸ばしてきた。

 だが、「ホ方式」には以前から防犯上の重大な弱点が指摘されていた。提出された画像がその場で撮影された生のデータなのかを厳密に見極めるのは難しく、画面の再撮影や印刷物による不正を完全に防ぐこともできない。

 近年の生成AI技術の進化によって、ディープフェイクや画像改ざんを使った高度ななりすましの脅威も増している。さらに事業者側にとっても、不鮮明な画像の目視確認や、送られてきた膨大な画像データを厳重に保管し続ける重い運用負担がかかる。

 こうした防犯上の限界に加え、偽造マイナンバーカードの券面を用いた「SIMスワップ」などの犯罪が多発したことを受け、政府は方針を転換した。2024年6月の閣議決定などに基づき、非対面本人確認の手法をマイナンバーカードの公的個人認証サービス(JPKI)へ原則として一本化することを決めたのだ。

 これにより、従来の画像撮影による「ホ方式」は2027年4月をもって廃止される。事業者が自らリスクを負って利便性を提供してきたビジネスモデルは変化を迫られており、代わりに政府が強く推奨しているのが

「カ方式」

である。

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