せっかく「綾瀬スマートIC」ができたのに、なぜ渋滞してるのか? 14万台が行き交う東名で車線増設! 大和トンネルの次に何が起きたのか
終わりなき東名の渋滞緩和策の全貌

日本で最も交通量が多い高速道路といえば、東名高速道路(東名)だろう。日本初の高速道路となった名神高速道路(名神)に続き、1968(昭和43)年4月に最初の区間が開通した。そのおよそ1年後の1969年5月には全線がつながり、以来約60年にわたって大量の車両が行き交う東西の大動脈として、日本の物流を支え続けている。
なかでも屈指の通行量を抱えるのが、神奈川県の横浜町田インターチェンジ(IC、東京起点19.7km)から海老名ジャンクション(JCT、同33.9km)に至る区間だ。大型連休の渋滞情報でおなじみの大和トンネルを含み、平日・休日を問わず日常的に車列が滞る。この区間の1日平均交通量は約14万台にのぼる。
国内の全道路貨物輸送量(トンキロベース)の約12%をたったひとつの路線で担うサプライチェーンの要所だが、この過密ぶりは、首都圏と中京・関西圏を結ぶ物流網がすでに処理能力の限界を迎えている事実を物語る。日常的な車両の滞留は、トラック輸送における時間的な損失や燃料消費量の増加を招き、産業界全体に莫大な経済的損失をもたらしてきた。
これまで手をこまねいていたわけではない。国土交通省やNEXCO中日本は2021年、大和トンネル付近で付加車線を設ける工事や、渋滞への注意喚起を行ってきた。それでも十分な混雑緩和には至らず、2026年6月25日、東名上り線の綾瀬スマートIC付近で新たな車線増設工事に着手すると正式に発表した。
大和トンネルのすぐそばに位置する綾瀬スマートICは、2021年3月に運用を始めた。周辺地域からのアクセスは大きく向上した一方、多くの車両がICから本線へ流れ込むことで直進する車と合流する車が交錯し、新たな滞留を生み出してしまった。
道路の交通対策は1か所の改修だけで終わるものではない。ひとつの課題を解決すれば、すぐ別の箇所に負荷が移っていく。今回の対策も、日本の大動脈としての機能を維持し続けるための、終わりのない取り組みの一環だ。なぜここで車線を増やす必要があり、工事がドライバーにどのような影響を及ぼすのか。その背景をひもといていく。