なぜ在日外国人は「町田市」へ住みたがるのか? 調査で「全国8位」に浮上! 東京郊外のベッドタウンで何が起きているのか――国籍を超えて選ばれる「新たな故郷」とは
「出稼ぎ」から「定住」へ。在日外国人の居住動態が変化する中、2026年9月の調査で町田市が「住みたい町」都内1位(全国8位)に選ばれた。理由は国際色ではなく、11%超が支持した仕事や交通網など日本人と共通のQOL(生活の質)だ。モビリティ経済の視点から、これからの郊外都市の新たな価値を読み解く。
外国人が選ぶ町田のモビリティ経済

少子高齢化による働き手不足が深刻になる日本社会で、在日外国人の動きが「一時的な出稼ぎ」から、家族をともなう「定住」へと大きく変わっている。働く場所の条件だけでなく、教育や自然環境、移動のしやすさといった生活の質(QOL)全体を見て、住む町を選ぶようになったのだ。もともと医療分野で使われていたQOLという考え方は、今や個人の自由や暮らしやすさを測る社会の尺度として定着している。
東京の西側に位置する町田市が、外国人の「住みたい町」として存在感を高めている。都の最南部にあり、東・南・西の三方を神奈川県の政令指定都市(川崎、横浜、相模原)に囲まれるこの街は、都下で八王子市に次ぐ約43万人の人口を抱える。2026年9月に発表された調査では、都内で最も多くの支持を集め、全国でも上位に入った。
その背景にあるのは、外国人向けの特別な支援策ではない。見えてくるのは、
・鉄道や路線バスが形づくる広い交通網
・都心より抑えられた住居費
である。さらに「西の渋谷」と呼ばれる商業集積と多摩丘陵の自然がひとつの生活圏に収まる、成熟した郊外都市の姿だ。
外国人が住む場所を探すとき、これまでは「国際的」「同郷のコミュニティーーがある」といった要素が注目されがちだった。だが町田の事例は少し異なる。日本人の住まい探しとも重なる、ごく現実的で普遍的な理由が潜んでいるのだ。