なぜ日本人は「新車」を買い替えなくなったのか? 平均購入価格331万円! トヨタが「いま乗っているクルマ」に仕掛けることとは?――後付けと更新で広がる新たな市場

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新車平均価格が331万円を超え車齢延伸が進むなか、自動車ビジネスは売り切りから継続課金へ転換期を迎えた。トヨタは安全機能の後付けや車載OSによるソフトウェア更新を推し進め、世界1.5億台の保有車を収益源に変える戦略を本格化。SDV時代の到来とともに激化する、新たな主導権争いの最前線を追う。

トヨタが展開する機能後付け事業

トヨタ・レクサス アップグレードファクトリー(画像:トヨタ自動車)
トヨタ・レクサス アップグレードファクトリー(画像:トヨタ自動車)

 トヨタは、自社の販売網で扱った車両に対し、純正オプションやソフトウェアを後から追加・更新できる仕組みを整えている。2022年1月にKINTO FACTORY名義で始まったこの取り組みは、5年目を迎えた2026年にトヨタ・レクサス アップグレードファクトリーへと名称を改め、本格的な展開に入った。

 対応店舗のネットワークは着実に広がり、2026年6月時点で全国のトヨタ系販売店の過半にあたる約2500店に及ぶ。2025年度中には47都道府県のすべてで受付を始める計画で、地方も含めた全社的な体制が整いつつある。新車が高くて手が出ない層に対し、買い替えずとも最新の安全機能が手に入るという選択肢を示し、顧客を系列店舗につなぎ留める狙いがある。

 サービス内容は大きく三つの領域に分かれる。内外装を整えるリフォームでは、経年変化で傷んだシートや外装品などを純正パーツに交換・修復する。基本性能を高めるアップグレードでは、後から欲しくなったオプションの取り付けや、運転支援システムの最新ソフトへの更新を行う。そして乗り手に合わせるパーソナライズでは、ドライバーの走り方や好みに沿って各種制御や機能を整えていく。作業にはメーカー基準の保証がつき、工賃込みの明朗な価格が提示される。

 トヨタ系販売店における中古車の年間取扱量は約35万台と推計されるが、こうした後付けサービスの拡充により、2030年には年間55万台まで伸ばす目標を掲げる。従来の中古車ビジネスは売った時点で関係が切れていたが、納車後も機能を更新できるようにすることで、販売店とメーカーは顧客とのつながりを長く保てる。

 同様の動きは海外でも受け入れられつつある。自分好みに仕立てる文化が根強い海外では、中古車であっても機能を更新し、手元にある車の価値を高めたいという思いが広がっている。

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