EV購入者は「ローン延滞リスク」が低かった! リスク50%低下! 金利上昇時代の自動車ローンで何が起きているのか――なぜ低リスクのEVに高い金利が付くのか?
金利上昇で高まる自動車ローン負担

2026年9月、国の借金の指標となる日本の10年物国債利回り(長期金利)が約30年ぶりに3%台の水準に達した。市場金利に連動する住宅ローンの金利はすでに上昇し始めており、その影響は自動車ローン(オートローン)市場にも及びつつある。
現在、銀行などの預金金融機関が扱うマイカーローンはおおむね年2~4%、信販会社や販売店が提供するディーラーローンは年3~9%程度が一般的だ。ここから仮に金利が1%上がるだけでも、数年間にわたる分割返済の支払総額は数万円から十数万円単位で増える。
自動車産業は関連従事者が約532万人(日本の全就業人口の8.7%)に達する基幹産業である。それだけに、金利上昇による返済負担の増加とローン延滞者の増加は家計を圧迫するだけでなく、日本経済全体へ大きな影響を及ぼしかねない。
ローン返済が行き詰まる背景には、車の乗り換え時に生じる「オーバーローン(ネガティブ・エクイティ)」の問題がある。完済前の車を下取りに出して新しい車を購入することは可能だが、減価償却などによって査定額が残債を下回る場合、その差額が新たなローンに上乗せされてしまう。結果として、月々の返済額が想定以上に膨らむことになる。近年は、毎月の支払いを抑える「残価設定ローン(残クレ)」で高額な車を購入するケースも多く、金利が上昇する局面ではこのリスクがとりわけ高まる。
米国の自動車購入サイト「Edmunds(エドマンズ)」のデータによれば、2025年第4四半期に新車購入時に下取りに出された車の約3割(29.3%)が、車両価値よりもローン残高が多いネガティブ・エクイティの状態に陥っていた。この割合は2021年第1四半期以来で最も高く、貸し手側から見てもデフォルト(債務不履行)リスクが高まっている現状を示している。
これまでローン審査では、申込者の信用情報や年収、所有資産といった個人の財務履歴が軸とされてきた。だが近年の大規模なデータ分析から、借り手の属性だけでなく、「購入する車の燃費性能」が返済能力を測る重要な指標になることが分かってきている。