なぜトヨタはレクサスNX「純ガソリン車」を全廃したのか? 累計約190万台の人気SUVが大幅改良! 「走り」の先で何が起きているのか――高級車の新たな価値とは

キーワード :
,
累計190万台を誇るレクサスの核「NX」が、純ガソリン車を排しフルモデルチェンジ級の大幅改良を遂げた。EV航続140km超の電動性能や剛性25%増の骨格に加え、五感に訴える空間演出で独自の体験価値を追求。最激戦区のコンパクトSUV市場で、トヨタが描く「マルチパスウェイ戦略」の勝算と真価に迫る。

新型NXが示す電動化時代の商品像

レクサス・NX新型モデル(プロトタイプ)(画像:トヨタ自動車)
レクサス・NX新型モデル(プロトタイプ)(画像:トヨタ自動車)

 トヨタ自動車は2026年9月1日、高級車ブランド「レクサス」のスポーツタイプ多目的車(SUV)「NX」を一部改良し、世界初公開した。新世代ハイブリッドシステムや新開発のプラグインハイブリッド車(PHV)を盛り込み、走りの進化と環境性能を両立させている。内外装のデザインも改め、2026年末以降、日本や北米、欧州を含む91か国で順次売り出す。

 2014(平成26)年、レクサス初のコンパクトクロスオーバーSUVとして誕生したNX。都会を機敏に駆け抜ける身のこなしと目を引く姿が支持を集め、世界中のユーザーに親しまれてきた。2026年7月末時点の累計販売台数は90以上の国と地域で約190万台にのぼり、いまやブランドの中核を担う存在へ成長している。

 今回の改良は、位置づけこそマイナーチェンジにとどまる。しかし、外観や室内空間、電動パワートレインからデジタル機能まで幅広く手を加えたことから、市場では「ビッグマイナー級」「フルモデルチェンジに近い」といった声も聞かれる。

 トヨタは、複数の電動化技術を使い分ける「マルチパスウェイ戦略」を推し進めている。新型NXの細部にも、その方針が色濃く反映された。本稿では大幅に手を入れられた新型NXを読み解き、北米・欧州・アジアの主要市場で競争が激化するコンパクトSUV領域において、同車がどのような勝ち筋を描いているのかを探る。

全てのコメントを見る