なぜ台湾人は「東京・大阪・京都」から離れ始めたのか? 旅行者比率が3年連続低下! リピーターが生む「再訪の時代」に何が起きているのか

キーワード :
,
中国客の減少でインバウンドが転換期を迎える中、2026年7月に過去最高の70万人超を記録した台湾市場が牽引役となっている。リピーター率84%の台湾勢の関心は三大都市圏から地方へシフトし、福岡(前年比85%増)やTSMC効果の熊本が急伸。「コト消費」を求める潮流に、地方誘客の真価が問われる。

データが示す訪日台湾人の地方移行

京都府(画像:写真AC)
京都府(画像:写真AC)

 台湾人の日本旅行で、東京、大阪、京都といった定番の訪問先に加え、福岡、熊本、沖縄など地方への関心が伸びている。

 日本のインバウンド市場全体は2025年に約4268万人、旅行消費額9兆4549億円と過去最高を記録した。一方、2026年は中国政府の渡航自粛要請による市場の落ち込みを受け、1~7月の訪日客数累計が前年同期比1.7%減となり、通年でも5年ぶりに前年を下回る可能性が指摘されている。

 こうした状況のなか、歴史的背景から親日感情の厚い台湾の存在感が増している。2025年は訪日台湾人数(676万3424人)と旅行消費額(1兆2033億円)がともに過去最高を更新した。日本政府観光局(JNTO)が8月19日に発表した直近の2026年7月実績でも、単月として初めて70万人を突破し、前年同月比26.4%増の76万3800人となるなど、旺盛な需要が続いている。

 台湾のBIG DATA Co. Ltd.がAIツール「KEYPOビッグデータ検索エンジン」を用い、2023年1月から2026年5月までの訪日旅行に関するインターネット上の言及量を分析した。その結果、

「三大都市圏以外の地方」

に関する言及比率は2023年の29%から、2026年1~5月には35%まで上昇している。一方、三大都市圏の比率は51%から年々低下している。

 なかでも福岡県は前年比85.49%増と地方の伸び率で首位に立ち、熊本県(46.36%増)、沖縄県(45%増)が続く。

 これは台湾の旅行者が三大都市圏を関心を失ったというより、訪日台湾人の84%を占めるリピーター層(個人旅行比率62%)の行動変化を映し出している。定番の観光地を巡る旅から、「次はどこへ行けるか」を自ら探す

「再訪の時代」

へと入っているのである。

全てのコメントを見る