なぜ「物流の2026年問題」は話題にならないのか? 内容を知らない企業が約7割! 私たちの荷物を支える物流で何が起きているのか――「24年問題」の次に生まれた言葉とは
荷主への規制強化が進む「物流の2026年問題」。だが、企業の約7割が制度内容を知らないと答え、現場の対応は混迷を極める。「2024年問題」の解決策として生まれたこの構造変化の正体とは。コンサル主導のバズワードという側面も含め、物流改革の現場に横たわる課題を読み解く
荷主の責任強化で生じる26年問題

「物流の2026年問題(26年問題)」とは、2026年4月に施行された改正物流効率化法などによって、主に荷主や元請事業者らに対し、罰則をともなうさまざまな法的義務が課されること、また、その対応にともなって生じる問題を総称した言葉である。
26年問題が生じた背景には、政府による大きな政策転換がある。それまでの物流政策は、基本的に倉庫会社や運送会社など、物流を担う事業者に対して義務や罰則を課すものだった。
分かりやすい例が、労働時間の問題である。一般の労働者については、労働基準法によって労働時間や休息時間などのルールが定められている。一方、トラック、タクシー、バスといった職業ドライバーには、より厳しい労務上のルールを定めた改善基準告示がある。
例えば、トラックドライバーに対する改善基準告示では、「4時間運転すると30分休憩しなければならない」と定められている。また、1日あたりの運転時間は、「2日平均で1日あたり9時間以内」と定められている。
仮にこのルールを守れないような運行、例えば道程にして1000kmを超える東京~福岡間の運行を翌日着で指定するなどの行為を荷主が運送会社に求めたとしても、ルール違反で罰を受けるのは運送会社だけで、荷主が責任を問われることはなかった。