なぜ地方鉄道から「紙の券売機」が消えるのか? 琴電の決断と自動改札わずか4駅の四国! 人手不足に悩む駅の現場で何が起きているのか――インフラ維持に挑む新たな動きとは

キーワード :
, , ,
深刻な人手不足と設備老朽化に直面する地域交通で、高額な機器を置かない「ソフトウェア決済」へのシフトが急加速している。ことでんの券売機全廃や、国交省実証(29路線)に見るICカード43%・タッチ決済33%などの多角化、JRの「見せ券」導入まで、脱・物理設備で持続可能性に挑む現場の最前線を追う。

人手不足を克服する交通デジタル化

高松琴平電鉄(画像:写真AC)
高松琴平電鉄(画像:写真AC)

 人手不足の波は、社会インフラのあり方を大きく変えつつある。2026年現在、その影響は地方鉄道の券売機を維持する現場にも及んでいる。政府が進めるキャッシュレス決済の導入には、現金の集計や保守点検、安全な移送にかかる費用を減らす狙いがある。

 決済をデジタルデータに置き換えれば、現金を管理する手間を省けるため、少ない人員でも運行を続けやすくなる。この流れは都市部だけでなく、設備の更新時期を迎えた地方の交通機関でも目立つようになっている。

 香川県高松市の高松琴平電気鉄道(ことでん)は、レシップホールディングス傘下のレシップ(岐阜県本巣市)と協力し、モバイルチケットシステム「QUICK TRIP Ticket」を使った「ことでんデジタル券売機」を2026年9月1日から導入した。

 地方鉄道の無人駅で券売機をなくし、専用アプリを必要としないウェブチケットへ切り替える取り組みは、全国でも初めてだという。物理的な設備を持たず、ソフトウェアを活用して運用を続けやすくする動きのひとつといえる。

全てのコメントを見る