賢いドライバーは「車検」だけで安心しなくなったのか? 平均車齢9.4年時代の落とし穴! 愛車の燃費と寿命を左右する「目詰まりの正体」
新車の平均購入価格が331万円に達し、平均車齢は9.44年と過去最高を更新するなか、クルマは短期間で乗り換える「消費財」から手入れをして長く保つ「耐久資産」へと変質した。数千円のエアクリーナー交換に象徴される手軽な予防整備が、走りと燃費を守り高額な修理を防ぐ。変化する自動車経済の最前線を追う。
エンジン性能の保持を担う吸気管理

現在国内を走る乗用車の大半を占める内燃機関は、15万から30万km程度の耐久寿命を持つとされるが、その状態は各種フィルター類の管理によって大きく変わる。
エアクリーナーは、エンジンが吸い込む外気から砂塵やホコリなどの小さな異物を取り除き、車の基本性能や燃費を支える役割を担う。ガソリンエンジンは燃料と空気を混ぜた混合気を燃やして駆動力を得るため、吸気に不純物が混ざると、高速で往復運動を行うシリンダー壁面やピストンに傷がつく原因となる。
摩耗が進めば密閉性が失われてオイル上がりを招き、白煙の噴出や、最悪の場合にはエンジンブローといった重大な損傷につながる恐れがある。そのため、機関内部を守る役割は大きい。
一方で、走行を重ねるにつれてフィルター内部には汚れがたまり、目詰まりが起きる。これによって吸気抵抗(ポンピングロス)が増すと、シリンダー内に十分な空気を取り込むために余分な負荷がかかり、エンジンの出力が落ちてしまう。
出力が下がると、ドライバーは無意識にアクセルペダルを深く踏み込むようになり、燃料の噴射量が増えて実用燃費が大きく悪化する。さらに、空気が足りない状態で燃料が過剰に供給されると、不完全燃焼を引き起こし、黒煙の排出やスパークプラグのくすぶり、センサー類による異常の検知につながることもある。
普段は目につきにくい部品だが、定期的に交換して吸気環境を整えることは、燃焼効率の低下を防ぎ、車の耐久性と経済性を長く保つうえで、費用に見合った効果の高い手立てとなる。