なぜ「物流施設」が帰宅困難者の受け皿になるのか? 千葉豪雨で1万台超の放置車両! 受け入れ&物流機能をどう両立するのか――防災拠点に求められる運用条件

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首都圏で推計515万人を生んだ帰宅困難者問題。その新たな受け皿として、民間物流施設を一時滞在施設へ指定する動きが加速している。モノの通過点からESG時代の社会基盤へと進化を遂げる中、問われるのはインフラ途絶時の実効性だ。避難者の保護とサプライチェーン維持を両立させる稼働条件に迫る。

帰宅困難者の受け皿となる物流施設

物流センターのイメージ(画像:写真AC)
物流センターのイメージ(画像:写真AC)

 大雨や地震などで公共交通が止まった際、帰宅困難者をどこへ誘導し、受け入れるのか。大規模災害の発生直後は、およそ72時間にわたって救命・救助活動が最優先される。そのため千葉県をはじめとする各自治体は、むやみな一斉帰宅を抑え、安全な場所にとどまるよう求めてきた。こうした帰宅困難者の受け皿となる一時滞在施設として、近年は物流関連施設を指定する動きが目立っている。

 これまで物流センターといえば、貨物を保管し、効率よく通過させるための閉鎖的な産業施設にすぎなかった。しかし環境・社会・企業統治(ESG)経営の広がりなどを背景に、街を支える社会基盤として、その役割は広がりつつある。

 実際に、東京都中央区の豊海流通センターは一時滞在施設(屋内)および一時待機場所(屋内)に指定された。川崎市のかわさきファズ物流センターも、帰宅困難者用一時滞在施設として位置づけられている。

 本来はモノを扱う物流施設が、なぜ人を受け入れるようになったのだろうか。本稿では、立地や空間、設備といったハード面の実態から、通常の物流機能や災害時の物資輸送との調整、さらに実際の運用主体に至るまでをひもとく。物流拠点が防災拠点として機能するための条件を明らかにしてみたい。

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