なぜ自動車メーカーは「脱レアアース」へ動くのか? 対日輸出が5割減! 世界が注目する脱依存技術の行方とは

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中国が市場の約90%を握るレアアースの供給リスクが完成車生産を揺さぶる。対日輸出5割減の打撃を受け、自動車産業は確保から脱依存へ舵を切った。2036年にEV市場の30%を占めると見込まれる希土類フリーモーター開発の最前線と、技術・調達・循環が織りなす新たな生存戦略に迫る。

車種や用途に合わせた最適技術の配置

 希土類を用いないモーターの導入は、特定の技術方式へ集約されるわけではない。用途や車格に応じた使い分けが進んでいる。高い出力性能と軽量化が優先されるプレミアム車両やスポーツモデルでは、重希土類フリー構造やYASAのアキシャルフラックス技術が有力な選択肢となる。

 一方で、コストを抑え量産しやすい点が重視される普及型モデルでは、磁石を使用しない巻線形界磁同期電動機(EESM)やフェライト磁石を用いたモーターといった多様な方式が用いられている。

 普及帯向けの事例として、Astemoはネオジム磁石の代わりに安価なフェライト磁石を適用した同期リラクタンスモーターの開発を進めている。フェライト磁石の磁力はネオジム磁石の3分の1以下と弱いが、鉄心内部に磁石を多層配置する構造と、コイルエンドを直接冷却油に浸す油冷技術を取り入れることで発熱を抑え込んだ。

 試作品では主駆動用で180kWの出力を保ちつつ、サイズの増大を30%に留めている。さらに4WD車の後輪アシスト向けには、磁石を一切使用しない完全同期リラクタンスモーターを採用し、通電オフ時の電磁ブレーキ損失をなくしてシステム全体の電費を向上させるアプローチが進む。

 モーター開発においては、巻線界磁同期電動機などがレアアースを回避する一方で、多量の銅資源を消費するといったトレードオフも生じる。脱レアアースへの移行は単一の正解を求めるものではなく、車種ごとの特性、資源需給、および市場のニーズに合わせて最適な技術を散りばめる、多層的な技術体系の形成へとつながっている。

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