なぜ自動車メーカーは「脱レアアース」へ動くのか? 対日輸出が5割減! 世界が注目する脱依存技術の行方とは

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中国が市場の約90%を握るレアアースの供給リスクが完成車生産を揺さぶる。対日輸出5割減の打撃を受け、自動車産業は確保から脱依存へ舵を切った。2036年にEV市場の30%を占めると見込まれる希土類フリーモーター開発の最前線と、技術・調達・循環が織りなす新たな生存戦略に迫る。

脱希土類と高出力化を両立する新技術

 YASAのプロジェクト・レジリエンスは、供給網における弱点を補うため、希土類の使用を抑えたモーター開発を目指す試みだ。

 英国政府のDRIVE35プログラムの支援を受けるこの事業は、開始発表から12か月以内に検証用デモンストレーターを用意して実機評価を行う枠組みとなっている。具体的には、重希土類を用いない方式と、レアアースを一切使わない方式の2経路を同時に進め、自動車メーカーの求める条件や車両の特性に応じて選択可能な基盤を整えつつある。

 メルセデス・ベンツがYASAを傘下に収めた動きは、電動駆動ユニットの根幹技術を自社グループ内に取り込み、内製化を進める潮流を象徴している。YASAの強みは、磁束が回転軸と平行に流れるアキシャルフラックス構造だ。

 従来の円筒形モーターに比べて軸長を約半分に抑えつつ、理論上は体積を約40%縮小できる特性を備える。実際に2025年10月に公開された試作型モーターでは、わずか12.7kgの重量からピーク出力750kWを引き出し、出力密度59 kW/kgを達成して従来水準から約40%の向上を実現した。

 レアアースを排したモーターの実用化に向けては、こうした高密度化の知見を活かしながら、車載環境の高温・高負荷に耐えうる耐減磁性(保磁力)を示せるかが最大のハードルとなる。フェライト磁石などを用いる手法で生じやすい出力低下や寸法の増大を抑え込み、大規模生産へ向けた技術基盤の共有と実用化を図っていく構えだ。

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