なぜ世界のコレクターは「30年前の日産車」を奪い合うのか? プレミアム価格での取引が過熱! 海外へ広がる「レトロJDM」の熱狂とは

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バブル期に誕生した日産のパイクカーが、30年の時を経てストック型資産へと昇華している。倍率20倍超を記録したフィガロは米25年ルールなどの海外需要で高騰し、国内では新車の4倍超となる700万円で取引される例も。感性重視の戦略が生んだ歴史的価値と、世界的な保全エコシステムの全貌に迫る。

海外需要の過熱が招く世界的高騰

日産のパイクカーシリーズ4作目となったフィガロ(画像:日産自動車)
日産のパイクカーシリーズ4作目となったフィガロ(画像:日産自動車)

 販売終了から30年以上が経ついま、パイクカー、とりわけフィガロの市場価値を世界水準へと押し上げているのが、国境を越えたJDM(Japanese Domestic Market:日本国内向け仕様車)に対するコレクター需要の広がりだ。

 とくに英国での人気は際立っている。日本と同じ右ハンドル・左側通行という道路環境に加え、1950年代の英国クラシック車を思わせる姿と、ベース車(マイクラ)譲りの壊れにくい実用性が噛み合った。生産された2万台のうち約3000~4500台が英国国内で現役登録されているとされ、エリック・クラプトンやノエル・ギャラガー、エルトン・ジョンといった著名人も愛車としたことで、都市生活者のお洒落なステータスシンボルとして定着した。

 近年、この人気は米国の25年ルール(製造から25年を経過した車両に対する連邦安全基準や排出ガス規制の免除)を機に、米国全土へと広がっている。1991(平成3)年式のフィガロは2016年にこの適用を受け輸入が認められた。米国バージニア州にある世界最大級の旧車・JDMディーラーダンカン・インポート&クラシックカーズでは、フィガロだけで常時200台近くの在庫を抱えている。

 経営者のゲイリー・ダンカン氏によれば、まるで笑いかけているかのような愛らしさが若年層や女性の心を掴み、価値の目減りしない有望な投資対象として扱われているという。状態の良い低走行車やフルレストア車ともなれば、新車価格(187万円)の倍以上となる最高3万9999ドル~4万1000ドル(約420万円超)で活発に取引され、世界的な価格高騰を後押ししている。

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