「地方に住みたい、でも不便はイヤ」 沖縄・北海道を抑えて「移住先人気1位」――都市住民が選んだ“都会に近い地方”の正体

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脱・田園スローライフ。都市部472人を対象とした最新調査で、住みたい移住先1位に長野県が選ばれた。支持されるのは自然だけでなく、都心へのアクセスと生活機能が整う「都市と地方の中間」だ。リモートワークと交通網がもたらす、移動で使い分ける新たな居住様式と、地方が直面する持続可能性の課題を紐解く。

テレワークがもたらす居住地の変化

地方移住に関する意識調査(画像:AlbaLink)
地方移住に関する意識調査(画像:AlbaLink)

 もうひとつ、構造を変えたのが働き方だ。調査で移住のきっかけとして最も多かったのはリモートワークが可能になるであり、仕事が完全リモートでできるとか、月1で戻ればいいとかになればといった声が寄せられた。

「出社しなくても自宅で働ける仕事に変わったなら、移住を考えます」(30代女性)
「完全にリモートで、安定的に働ける状態になったとき」(40代女性)

これまで住む場所は職場との距離に強く制約されてきたが、仕事の多くを自宅でできるならその制約は弱まる。ただし会議や面談など都市へ行く必要は残るため、毎日出社しなくても必要なときに移動できる環境が欠かせない。地方移住とテレワークは移動を消す関係ではなく、頻度を変える関係なのだ。

 この働く場所の自由は、都市に拠点を残したまま地方にも生活拠点を持つ二地域居住(デュアルライフ)という選択肢を現役世代に広げた。2024年に国もこれを特定居住として法制化し、支援を打ち出している。移住はもはや完全に退路を断つ永住ではなくなった。

 これを地域側から見れば、都市のつくり方が問われる。人口減少地域で住宅や施設が広範囲に分散すれば、インフラ維持の負担は増大する。そこで、すべての機能を一か所に集めるのではなく、複数の生活拠点を維持して公共交通などのネットワークで結ぶコンパクト・プラス・ネットワークが注目されている。

 世界的な評価を得た富山市は路面電車(LRT)を軸に中心街を再生し、車依存のライフスタイルに新たな選択肢を提示した。宇都宮市も広大な市域の拠点同士をLRTやバス網でつなぎ、一極集中の弊害を避けつつ共存を図っている。無秩序な居住地の広がりを防ぎつつ、中心部への一極集中による生活圧迫も回避する発想である。

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