「地方に住みたい、でも不便はイヤ」 沖縄・北海道を抑えて「移住先人気1位」――都市住民が選んだ“都会に近い地方”の正体

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脱・田園スローライフ。都市部472人を対象とした最新調査で、住みたい移住先1位に長野県が選ばれた。支持されるのは自然だけでなく、都心へのアクセスと生活機能が整う「都市と地方の中間」だ。リモートワークと交通網がもたらす、移動で使い分ける新たな居住様式と、地方が直面する持続可能性の課題を紐解く。

移動手段の選択肢がもたらす自由度

地方移住イメージ(画像:写真AC)
地方移住イメージ(画像:写真AC)

 この変化において、交通は居住地を選ぶ自由そのものに関わる。

「静岡県静岡市。富士山が見える場所で暮らしてみたいという憧れがあるからです。また海や山などの自然が身近にありながら、普段の買い物などにも不便しなさそうで、長く暮らしやすそうだと思います。新幹線を利用すれば東京や大阪などの都市部へも行きやすいので、便利さと自然のバランスがちょうど良いと感じました」(30代女性)

 例えば北海道を選んだ30代女性は、空港があり東京へのアクセスが良い点を理由に挙げた。宮城県仙台市も都市で交通も便利でありながら海や自然に近いことが評価されている。普段は地方で暮らし、必要になれば都市へ移動するという選択肢が確保されていれば、移住への心理的ハードルは下がる。

 もっとも、地方の移動を考える際、自動車だけを見てはいけない。高度経済成長期以降の地方都市はモータリゼーション(車社会化)の波に乗り、幹線道路沿いの大型店舗へ車でまとめ買いに行くライフスタイルを定着させた。その結果、中心市街地はシャッター通りとなり、公共交通の弱体化を招いた。

 移住後に年齢を重ねて運転できなくなった時、地方の町村部では食料品の確保すら難しくなる買い物難民や医療難民の急増が深刻な社会問題となっている。車があれば生活できるという条件は、誰もが移動できることと同義ではない。子どもが自力で通学する場面も含め、自動車の役割を認めたうえで、鉄道やバス、デマンド交通、徒歩などをどう組み合わせるかが問われている。

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