貨物専用線に「旅客列車」が乗り入れる? 8期ぶり黒字「茨城三セク鉄道」で何が起きたのか――かつて“空気を運んだ”路線の現在

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国内で数少ない旅客・貨物の二刀流を貫く鹿島臨海鉄道など私鉄4社が連携に乗り出した。中でも鹿島臨海鉄道は、貨物発足から旅客7:貨物4の収益構造を確立。2026年3月期に11億円超の営業収益で8期ぶり黒字を達成した背景には、貨物資産の流用企画と堅実な資産運用の強みがある。

旅客と貨物の両輪で築く安定の収益

貨物専用神栖駅でのディーゼル機関車特別公開(画像:クラブツーリズム)
貨物専用神栖駅でのディーゼル機関車特別公開(画像:クラブツーリズム)

 大洗鹿島線の営業キロは53.0kmで、鹿島臨港線の19.2kmを大きく上回る。同線では一部で貨物輸送を行っていた時期もあるが、開業当初から旅客営業が中心だった。

 同社は前述のとおり、若干の旅客営業の経験はあったものの、もともとは貨物輸送を手がける事業者だ。その同社が、大洗鹿島線の開業を境に、営業キロで見ればはるかに規模の大きい旅客営業を始めることになった。

 では、同線の開業から40年が経った今、同社の収益の構成はどのように変わったのだろうか。同社が公式サイトで公開している2026年3月期(2025年4月~2026年3月)の決算公告によると、営業収益は11億2625万円、純利益は2030万円で、

「8期ぶりに黒字」

を計上した。2024年10月に実施した運賃値上げによる増収が、業績を押し上げた形だ。

 部門別の営業収益を見ると、旅客運輸収入が6億3935万円、貨物運輸収入が3億90万円、運輸雑収が1億190万円、付帯事業収入が6694万円となっている。運輸雑収は主に貨物輸送にともなう収入で、JR貨物との共同営業や業務受託料などから得ている。付帯事業収入は主に旅客輸送にともなう収入で、駅構内や車両への広告掲出、沿線での各種イベントの実施、グッズ販売などから得られるものだ。

 これらを合わせて見ると、旅客7に対して貨物4ほどの割合となる。五分五分とまではいかないものの、旅客と貨物の両方から収益を上げている構成といえるだろう。

 収益の構成という点では、本業と同じように注目したいのが、貸借対照表の資産の部に記載された投資有価証券10億584万円と、損益計算書の営業外収益に記載された有価証券利息504万円だ。

 この504万円という金額は、本業で得た営業利益307万円を上回っている。同社が保有する投資有価証券は、公募公債などの満期保有を目的とした債券で、投機性は低い。ただ、資産運用による営業外収益が、最終的な純利益を大きく押し上げている。

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