崩れ始めた中国依存――なぜEV部品をめぐる「日中の攻防」が激化するのか? 輸入量8割減で揺らぐ“安定調達”

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中国の輸出管理強化により、日本のレアアース輸入量は規制前の2割へ激減。加工工程の9割を同国に握られた自動車産業は、供給遮断ではなく「納期の不確実性」という見えないリスクに揺さぶられている。在庫による防戦が限界を迎える中、企業は脱レアアース技術の確立と供給網の刷新という根本的な構造変化に挑む。

脱レアアースに挑む代替技術の現状

 供給の不透明感に対するアプローチは、調達ルートの変更や分散にとどまらない。製造技術そのものを根本から見直す動きも急速に進展している。材料の使用量を減らす技術や、レアアースをまったく使わない代替技術の実用化だ。とはいえ、これらの技術は用途や必要な出力によって開発ステージが分かれている。

 すでに量産や実用化に至っている技術は多い。たとえばミツバは、高価なネオジム磁石の代わりに鉄を主成分とする磁石を採用した小型ワイパー用モーターを2023年から量産化し、ホンダの「アコード」などの市販モデルに標準搭載している。

 日産自動車が「リーフ」のモデルチェンジを通じてレアアース使用量を初代モデル比で9割削減した事例や、ホンダが2016(平成28)年に大同特殊鋼と共同で耐熱性を高めるための重希土類を一切使用しない世界初のネオジム磁石をハイブリッド車「フリード」に実用化した歴史のように、段階的な削減技術はすでに実績を積み重ねてきた。

 さらに次世代の技術として、Astemo(アステモ)はレアアースを使わず鉄を主成分とする磁石(フェライト磁石など)を用いたEV用駆動モーターを開発し、特殊なローター構造によって高出力を保つめどを立て、2030年ごろの実用化を目指している。

 また、外資系部品大手のフランス・ヴァレオは、ニッパツ(日本発条)や大同特殊鋼などの日本の技術パートナーと協力し、重希土類を使用しない永久磁石同期モーターのプロトタイプを2026年5月の展示会で公開した。油冷などの独自の内部冷却システムを採用することで高温時の減磁を防ぎ、重レアアースを完全に排除する技術を確立しつつある。脱レアアースの試みは、企業や国境の垣根を越えて着実に広がっている。

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