崩れ始めた中国依存――なぜEV部品をめぐる「日中の攻防」が激化するのか? 輸入量8割減で揺らぐ“安定調達”

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中国の輸出管理強化により、日本のレアアース輸入量は規制前の2割へ激減。加工工程の9割を同国に握られた自動車産業は、供給遮断ではなく「納期の不確実性」という見えないリスクに揺さぶられている。在庫による防戦が限界を迎える中、企業は脱レアアース技術の確立と供給網の刷新という根本的な構造変化に挑む。

現場をむしばむ納期遅延の不確実性

 中国による輸出管理強化の影響は、部品供給の完全な遮断ではなく、納期の不透明さとなって生産現場をむしばんでいる。中国政府が重要鉱物の輸出審査を段階的に厳格化したことで、正規の輸出許可が下りるまでの所要時間を見通すことはきわめて難しい。最上流で生じた審査の停滞は、磁石やモーター、各種センサーといった中間部材の調達時期を遅らせ、自動車メーカー全体の生産計画の立案を困難にしている。

 実際に海外では、米フォード・モーターが部品供給の遅れと輸送コストの高騰から、2025年5月にシカゴ工場における主力スポーツタイプ多目的車(SUV)「エクスプローラー」の生産を1週間にわたり停止せざるを得なくなった。

 欧州でも、中国に申請された欧州向けの輸出承認のうち実際に許可が下りたのはわずか25%にとどまる。メルセデス・ベンツやBMWもサプライヤーとの緊急協議に追われ、一部の部品メーカーでは操業停止に追い込まれる事態も報告されている。日本国内でもスズキが供給遅延を受けて一時的に国内工場の稼働を止め、その後に調整を経て再開するといった影響が現れている。

 さらに見過ごせないのは、ネオジム磁石や添加剤としての重レアアース(ジスプロシウムなど)の用途がEVの駆動用モーターだけにとどまらない点だ。ワイパー用モーターやブレーキシステムを電子制御するABSセンサー、電動パワーステアリング、車載カメラなど、ガソリン車を含む内燃機関(ICE)車全般の主要部品にまで幅広く組み込まれている。

 調達担当者が直面する不安は、明日特定の部品が必ず途絶えるという意味ではない。手続きの遅延がどの部位の供給にいつ跳ね返ってくるか分からないという構造的な不確実性に由来している。こうした状況も影響してか、直近2026年1月から6月までの日本へのレアアース輸入量は、規制前の2024年同期と比較してわずか2割前後に激減しているという深刻な実態がある。

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