「EVは不便? むしろ便利になりました」もはや10万台超えが視野に! 車を売るだけでは終わらない“新しい商売”の正体
国内EV販売が年間10万台の大台を視野に急成長している。最大260万円の補助金が牽引するが、真の地殻変動は台数増の先にある。EV購入を起点にV2Hや蓄電池など住宅エネルギー需要が喚起され、異業種を巻き込む新たな協業が加速。クルマが自動車と住宅の境界を溶かし、暮らしのインフラへと変貌する最前線を追う。
車両と設備の補助金が拓く周辺市場
現在の普及を読み解くうえで、行政による支援制度の存在は欠かせない。
国の購入補助金は今年から上限額が最大130万円に引き上げられ、東京都独自の補助枠(最大130万円)と組み合わせれば、都民は最大260万円の支援を受けられる環境が整っている。
実質的に軽自動車並みの価格で手に入るモデルも登場し、普及の起爆剤となっている。例えば、ホンダが5月に発売した小型EV「Super-ONE(スーパーワン)」は、鋭い加速を楽しめる「ブーストモード」を備え、価格は約339万円。国の補助金だけでも実質的な負担を約209万円まで抑えられる。また、米大手テスラやトヨタの「bZ4X」、日産の「リーフ」といった売れ筋モデルへの関心も引き続き高い。
さらに、BUDDICA GRIDが申請支援を手がける2026年度のV2H設置に関しても、機器費用と施工工事費を合わせて上限130万円の補助制度が用意されている。
支援の網は車両本体にとどまらず、周辺産業へ幅広く波及している。車両と住宅設備の補助制度が連動することで、充電・エネルギー機器への導入意欲が高まると同時に、地域の工事事業者へも技術やノウハウが蓄積していく。複雑な申請手続きを事業者側が一括で引き受ける仕組み自体も、消費者の心理的なハードルを下げる手助けとなっている。
専門性を持つ異業種との連携が進めば、販売店は
「家庭の移動とエネルギー環境を総合的に相談できる窓口」
としての色合いを強めていく。事業領域が広がるにつれ、電気工事の専門知識や施工品質の管理、アフターサービスの対応範囲も確実に広がっているのだ。