「EVは不便? むしろ便利になりました」もはや10万台超えが視野に! 車を売るだけでは終わらない“新しい商売”の正体
国内EV販売が年間10万台の大台を視野に急成長している。最大260万円の補助金が牽引するが、真の地殻変動は台数増の先にある。EV購入を起点にV2Hや蓄電池など住宅エネルギー需要が喚起され、異業種を巻き込む新たな協業が加速。クルマが自動車と住宅の境界を溶かし、暮らしのインフラへと変貌する最前線を追う。
車両販売と融合する住宅エネルギー
これまで自動車販売の中心はハードウェアそのものであり、購入後の車検や保険などで収益を重ねていく構造だった。
しかしEVでは、購入前後に求めるサービスが異なる。充電設備の設置やV2Hの導入を通じ、クルマは家庭の電源としても機能し、太陽光発電と組み合わせれば電力を自家消費する道も開けるからだ。
この変化を具体化するのが、2026年9月下旬から始まるBYD Auto Japan(神奈川県横浜市)とコジマ(栃木県宇都宮市)の協業である。BYDの正規ディーラーで車両購入と同時に自宅の充電設備設置を申し込め、コジマが現地調査から施工、行政手続きまでを担う。消費者は手続きを一本化でき、事業者はEV販売を住宅設備という隣接領域へスムーズにつなげることができる。
この動きは新車に限らない。
中古車販売大手のBUDDICA(香川県高松市)は2026年8月17日、日本エネルギー総合システムと提携し、新サービス「BUDDICA GRID」を立ち上げた。中古EVと家庭用蓄電池、V2Hなどを組み合わせたエネルギー提案である。
自動車は通常、9割以上の時間を駐車場で過ごす。その不稼働時間をエネルギー基盤として生かせば、手頃な価格帯で大容量の蓄電環境を作れる。BUDDICAは国の補助制度申請も支援し、中古車流通と総合的な暮らしの提案を結びつけている。