「異例の上下分離」から10年…京都のローカル線が達成した過去最高11.7億円!なぜ収入増でも黒字化に届かない?

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異業種参入と上下分離で再建を図る京都丹後鉄道。観光列車「くろまつ号」などで営業収入は過去最高の11.7億円を記録したが、通勤通学需要は1割未満と観光偏重の構造が続く。20億円超の補助金投入でも黒字化の壁は厚く、親会社WILLERの強みである高速路線バスとの強力な連携が次なる焦点となる。

補助金で基盤を支える第三種事業者

レストラン列車「くろまつ号」で提供される料理(画像:WILLER)
レストラン列車「くろまつ号」で提供される料理(画像:WILLER)

 現在、第3種鉄道事業者となっている北近畿タンゴ鉄道は、1982(昭和57)年に新規路線の宮福線を運行する第三セクターの宮福鉄道として設立された。1988年に宮福線を開業し、1989(平成元)年に北近畿タンゴ鉄道へ商号を変更した。1990年にはJR宮津線を引き継ぎ、宮津線を開業している。

 1996年には宮福線と宮津線の宮津~天橋立間を電化し、特急「タンゴディスカバリー」の運転を始めた。当初、北近畿タンゴ鉄道は、日本三景の天橋立など沿線に観光資源が多く、華やかな観光列車も運行していたため、一見すると経営は順調に見えた。

 しかし、宮福線と宮津線を合わせて100kmを超える路線は、沿線の大半が過疎地にあり、経営は厳しい状況が続いた。一時は全国の第三セクター鉄道で最大の赤字を記録している。

 2015年に上下分離へ移行したのは、線路や駅舎などの基盤部分を沿線自治体が保有して負担を支え、運行についてはWILLER TRAINSが民間の知恵を生かしながら収支の均衡を目指すためである。

 ただ、同鉄道では自治体が直接、基盤部分を持つ形ではない。以前からの北近畿タンゴ鉄道がその役割を担い、自治体が補助金によって同社を支える形を取った。

 同社が公開している第44期(2025年4月~2026年3月)の損益計算書によると、鉄道事業の営業収益(WILLER TRAINSからの鉄道施設・車両使用料)は2133万円、営業費は13億4949万円で、差し引き13億2816万円の営業損失となっている。

 一方、特別利益には21億2952万円の補助金が計上されている。ただ、特別損失として固定資産圧縮損が8億4778万円計上されていることもあり、最終的な純損失は2594万円となった。20億円を超える補助金が入っても、赤字は解消されていない。

 同社は、いわば「補助金の受け皿」としての役割を担っているようにも見える。

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