女性トラックドライバーが全然増えない根本理由! わずか「4.6%」にとどまる辛らつ現実――男性社会の「長距離・手荷役」は変われるのか?
2030年に輸送能力の34.1%が不足する危機に直面する物流業界。ドライバーの50歳以上が51%を占める一方、女性比率は4.6%に留まる。平均年収408万円と稼げるポテンシャルを秘める中、設備や荷役の改善を通じた「働き方の構造改革」が進む。女性を呼び込む変革は、業界全体の持続可能性を握る起爆剤だ。
数値目標を超えた組織全体の近代化
女性ドライバーを増やす議論には、ひとつの落とし穴もある。採用人数だけを目標にすると、
・入社後のミスマッチ
・職場文化の衝突
が起きるからだ。重要なのは、採用から育成、荷役、家庭との両立までをひとつの就業プロセスとして捉え、組織そのものを近代化することだ。
例えば前述の山栄物資運輸では、社長主催で職種を超えた「女子会」を実施し、LINEグループを介してざっくばらんに不満や提案を吸い上げている。男社会が長かった職場における言葉遣いの改善やハラスメントの防止は、結果として男性ドライバーを含む
「すべての従業員にとって居心地の良い職場」
へと脱皮させる最大の潤滑油となる。女性ドライバーが増えない背景には、従来のトラック輸送が
・長時間働ける人
・長距離を走れる人
・身体的負担に対応できる人
を中心に仕事を組み立ててきた側面がある。
その仕事の条件と、現在の労働市場で求められている多様な働き方との間に距離があるなら、女性だけでなく、子育て世代や高齢者、未経験者にとっても参入障壁になり得る。物流企業にとっては、人材の性別を増やすことそのものが目的なのではなく、これまで働きにくかった人でも参加できる仕事を増やすことが真の目的なのだ。