なぜ? 欧州で相次ぐ「電車賃」超大幅値下げ 日本は実現できないのか【連載】牧村和彦博士の移動×都市のDX最前線(7)

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日本では電車運賃の値上げなどが相次いで報じられているが、欧州では各国が公共交通の利用促進に向けた政策を次々に打ち出している。「三方良し」と言える事業の内容を紹介する。

ドイツ全土9ユーロ乗り放題の衝撃

 ドイツ全土の公共交通全線乗り放題チケットは、ハンブルグのMaaSアプリからも事前購入可(画像:HOCHBAHN)
ドイツ全土の公共交通全線乗り放題チケットは、ハンブルグのMaaSアプリからも事前購入可(画像:HOCHBAHN)

 2022年6月1日(水)から8月末までの3か月限定で始まる、ドイツ全土の公共交通全線乗り放題。すでに日本でも話題の取り組みだ。

 ガソリン価格の高騰への短期的な対応として、1か月9ユーロ(約1200円)で長距離列車や長距離高速バスを除く、ローカル線、路線バス、トラムなどの公共交通機関が乗り放題となる経済回復政策だ。チケットの有効期間は1か月ごととしており、先行販売が5月中旬から始まった。

 6月分、7月分、8月分という月ごとチケットであり、例えば6月20日に6月分を購入しても残り10日分しか利用ができない点に留意が必要だ。

 チケットは紙のチケットとデジタルチケットの2種類となっており、発券機やサービスセンターでの購入だけではなく、ドイツでもデジタルへの対応がされている点は興味深い。

 例えば、ドイツ鉄道のMaaSアプリ「DBNavigator」からのチケット購入だけではなく、ハンブルグ都市圏のMaaSアプリ「hvv switch」からもチケットの事前購入が5月20日から始まっている。最近のDBNavigatorのダウンロード数はドイツでトップとなっているほどだ。

 また、すでに定期券を保有している人や学生向けのゼメスターチケット保有者などには返金対応がなされるとのことだ。

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