「えっ、まだETC付けてないの?」 利用率95%の高速道路でなぜ購入支援を続けるのか――料金所再編、その先に何がある?

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利用率95.3%、普及率90%超を誇るETC。成熟期にある今、高速各社が最大1万円の購入助成に踏み切る背景には、料金所の完全専用化へ向けた決断がある。二重運用の解消と人手不足への対応を図り、インフラの全面デジタル化を推進。ロードプライシングや民間決済連携を見据えた道路経済の現在地を追う。

省力化と交通流制御がもたらす専用化推進

首都高6号向島線下り線。向島ランプ入口もETC専用(画像:写真AC)
首都高6号向島線下り線。向島ランプ入口もETC専用(画像:写真AC)

 日本の高速道路では、通信システムを活用したETC専用化の動きが目立っている。首都高速道路においては2026年度に新たに44か所のETC専用化を計画しており、累計134か所が専用運用へ切り替わる予定だ。

 NEXCO各社でも、当初は2004(平成16)年の社会実験を経て2006年に恒久化されたスマートICが中心であった。これは本線をまたぐ橋梁の建設や用地買収を含め約35億円を要する従来型に対し、約20億円に建設費を抑えられる経済的メリットがあり、現在は通常のICへの適用も着実に広がっている。工事の際には入口を1~2か月通行止めにするケースも見られ、大きな労力をつぎ込んでインフラの移行が進められている。

 料金所の現場は、料金を回収するだけでなく、設備の維持管理、事故やトラブル時の利用者対応、車両の通行処理といった多くの業務を抱えている。紫色の専用信号灯が点灯するETC専用レーンを増やす背景には、他産業と同じく直面する現場の人手不足へ対応し、業務全体の効率を上げる狙いがある。それと同時に、道路管理者の役割を料金回収から全体の交通流を円滑にコントロールする役割へと移す意味も持つ。

 さらに近年は、頭上のガントリーから画像処理と位置検出の仕組みを用いて課金するフリーフローETCの導入も一部で進む。技術的には時速180kmでの通信が可能でありながら、料金所付近では安全確保のため時速20km以下での通過が呼びかけられているように、安全と効率のバランスを取りながら運用されている。

 スムーズな通過が可能になることで料金所スペースは本来の役割を果たしやすくなり、将来的に物流の中継機能や電動化対応の充電拠点など、次世代モビリティ社会を支える場所として生かせる余地がある。

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