「えっ、まだETC付けてないの?」 利用率95%の高速道路でなぜ購入支援を続けるのか――料金所再編、その先に何がある?

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利用率95.3%、普及率90%超を誇るETC。成熟期にある今、高速各社が最大1万円の購入助成に踏み切る背景には、料金所の完全専用化へ向けた決断がある。二重運用の解消と人手不足への対応を図り、インフラの全面デジタル化を推進。ロードプライシングや民間決済連携を見据えた道路経済の現在地を追う。

普及率90%超で迫るインフラの転換

ETCゲートを通過する車のイメージ(画像:写真AC)
ETCゲートを通過する車のイメージ(画像:写真AC)

 高速道路の料金徴収方法は、ここ20~30年で大きく姿を変えてきた。1953(昭和28)年以降の道路特定財源制度のもとで整えられたインフラと現金決済中心の時代から、2001(平成13)年11月に全国本格運用を始めた5.8GHz帯無線通信を活用する自動料金収受システム(ETC)決済へと移行が進んだのだ。2026年8月現在、ETCの普及率は90%を超え、日本の道路交通における標準的な支払い手段としてすっかり定着している。

 こうした成熟期において、NEXCO各社や首都高速道路が2026年7月からETCおよびETC2.0車載器購入助成キャンペーンを始めた動きは、インフラの運用が新たな段階へ入ったことを物語る。

 現在は都市部で2025年、地方で2030年を目処にすべての料金所をETC専用化するという国を挙げたロードマップの真っ只中にある。普及率が90%に達した現状は、社会インフラが従来のやり方から通信前提の仕組みへと完全に切り替わる転換点といえるだろう。

 この支援策が狙うのは、個別の車載器を広めることにとどまらない。料金所という物理インフラそのものの運用転換にともない、利用者のスムーズな移行を後押しすることにある。現に首都高速道路では、2026年度に新たに44か所をETC専用化にし、累計134か所へ拡大する計画を進めており、NEXCO各社においても専用インターチェンジ(IC)の広がりが加速している。

 普及率90%を超えた先で展開されるこの施策が、高速道路全体の利用環境や事業のあり方にどのような変化を生み出すのか。料金徴収システムの現在地とともにひも解いていく。

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