「EV嫌いにこそ刺さります」 日本の軽EVは新たな主役になれるのか? 中国車12%の欧州で揺れる勢力図、その行方とは
欧州でEV販売が前年同期比35.1%増と再加速するなか、中国勢がシェア12%を獲得し日本勢を逆転した。局面打開へEUは日本の軽思想を汲む新規格「M1E」を創設。ホンダやスズキが軽で磨いた技術で攻勢をかける一方、中国の金融規制など変数を抱える激動の欧州EV市場で、日本車生き残りの鍵を深掘りする。
欧州EV市場へ挑む「軽」の技術

高密度な設計と取り回しの良さを強みに、日本の軽自動車は長年にわたって国内市場を支えてきた。新車販売の4割近くを占め、いまや地方都市を中心に日常生活になくてはならない「足」として定着している。一方の欧州市場はといえば、アウトバーンに代表される超高速走行への対応や厳しい安全基準、さらには大型車を好むお国柄も手伝い、小型車の存在感が中心に躍り出る場面は皆無に等しかった。
ところが近年、自動車産業の主軸が電気自動車(EV)へ移るなかで状況に変化が表れ始める。都市部での自動車需要の拡大に加え、欧州連合(EU)が新たに小型EV区分「M1E」の創設に動き出したことで、欧州市場を巡る前提条件が根底から揺らぎ始めたのだ。
この地変を商機と捉えたのがホンダとスズキである。日本の軽市場で研鑽を重ねてきたパッケージング技術を武器に、小型EVでの欧州攻略へ舵を切った。果たしてこの一手が日本メーカーによる反転攻勢の引き金となるのか、それとも過酷な新市場の幕開けに過ぎないのか。欧州における制度改革と市場変化の最前線から、新たな潮流の行方を探る。