「自社のトラックはもう要りません」 Amazonが巨大物流網を開放! 年間4兆円規模へ迫る新物流ビジネス、その衝撃とは?
年間32兆円規模の投資力を誇るAmazonが、自社物流網を外部開放する「ASCS」を本格始動させた。「物流版AWS」ともいえるインフラ外販は米配送大手の株価を10%超急落させるなど市場を激震させている。AIと巨大網で供給網全体を統括する「物流プラットフォーマー」の野望と、激変する産業構造に迫る。
巨大物流インフラの外部開放

配送時間の短縮や業務効率化、さらにはラストワンマイルの課題解決に向け、物流各社が莫大な投資を続ける中、Amazonの動きが際立っている。同社はこれまで自社ECの裏方として機能してきた巨大な物流網を外部企業に開放し、新たな収益の柱に据えようと動き出した。
その象徴が、2026年5月4日に始動したB2Bサービス「Amazon Supply Chain Services(ASCS)」だ。通販サイトの出品者にとどまらず、一般の外部企業にも自社の物流ネットワークを提供する。
国際貨物輸送から倉庫での在庫管理、消費者への小口配送まで、サプライチェーン全体を一貫して引き受ける仕組みが整った。これを利用すれば、企業は個別の業者と契約を結ぶ手間や管理コストを省き、自社のコア業務に経営資源を集中させやすくなる。
攻勢は続く。同年6月4日には、受注から配送までの処理を最適化した欧州物流網(EFN)の強化策を発表した。域内25か所以上に即日配送用の小型拠点を新設するほか、新型AIロボットの導入や大規模な雇用計画も打ち出している。いかに早く運ぶかという単純な時間競争を脱し、
「供給網全体の統合管理」
を担う存在へ。物流産業の競争構造は、今まさに新たな局面を迎えている。