「ガラスハッチはどこへ消えた?」 RVブームで当たり前だった便利装備、1万台突破モデルが映す変化とは

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かつてRVブームを彩ったガラスハッチが絶滅の危機にある。開発資金のEV・安全技術シフトや平均保有7年超の節約志向により国産車で激減した一方、約5000億円規模へ拡大するアウトドア市場や、累計1万台超を販売した輸入車ベルランゴなど狭小地での実用性が再評価されている。衰退と活路の物語を追う。

ガラスハッチの基本構造と利点

シトロエンベルランゴのガラスハッチ(画像:シトロエン名古屋中川)
シトロエンベルランゴのガラスハッチ(画像:シトロエン名古屋中川)

 1990年代から2000年代前半にかけ、スポーツタイプ多目的車(SUV)やステーションワゴンで広く見られた「ガラスハッチ」。当時のクルマは、実用的な移動手段から、生活を豊かにする自己表現やライフスタイル拡張のツールへと価値を移しつつあった。

 その象徴ともいえるアウトドアブームやRVブームを追い風に、数多くの車種がこの機構を採用した。しかし現在、そうした採用モデルはごくわずかに減少し、一部では絶滅危惧装備とまで呼ばれる状況にある。とはいえ、荷室へのアクセス性を求める現場のニーズが消えたわけではない。

 そもそもガラスハッチ(グラスハッチとも呼ばれる)は、バックドアのウインドウ部分だけを独立して跳ね上げる開閉機構を指す。リアゲート全体を開けずに済むため、後方に十分なスペースがない環境でも荷室へアクセスできるのが最大の特徴だ。

 日産のパイクカーパオ(1989年)や、アーバンスタイルSUVの先駆けとなった初代テラノ(1986年)などにも備わり、非日常のレジャー感を演出するアイテムとして親しまれた。ガラス単体で開閉するためサッシュ枠が少なく済み、デザインの軽快さや後方視界の確保に寄与するメリットもあった。

 日常使いの面でも利点は多い。例えば、背後に壁が迫る自宅のガレージや公共駐車場であっても、ガラス部分だけを開ければ容易に荷物を出し入れできる。キャンプなどで荷室いっぱいに荷物を詰め込んだ際も、バックドア全体を開けずに済むため、荷崩れを防ぎつつ上部の小物を取り出せるという極めて実用的な側面を持っていた。

 これほど重宝された装備が、なぜ現在では姿を消しつつあるのか。その背景事情と、今後の市場における可能性をひも解いていく。

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