ホンダはなぜ「日産」と手を組むのか? EV損失1.5兆円で揺らぐ「自前主義」、日本車の競争地図を変える巨大タッグとは

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巨額赤字に直面するホンダと日産が、車載OSの2029年共通化に踏み切る。最終赤字4239億円のホンダがソフト領域に1兆円を確保する一方、開発期間を40%短縮した日産の技術を活用。自前主義を離れ水平分業へとシフトする両社の決断は、テスラや中国勢に対抗するSDV時代の構造変化を象徴している。

SDV協業と水平分業への構造転換

ホンダ・日産のロゴマーク(画像:AFP=時事)
ホンダ・日産のロゴマーク(画像:AFP=時事)

 ホンダと日産は、ソフトウェアによってクルマの機能を高めるソフトウェア定義車両(SDV)の協業について、詰めの協議に入った。両社はソフトを動かす基盤となる車載OS(基本ソフト)や、クルマを電気信号で制御する電子制御ユニット(ECU)を共通化する方針だ。

 この協業は、単にライバル同士が手を組んだという枠組みにとどまらない。自社と系列企業ですべてを完結させる垂直統合型のものづくりから、基盤層と応用層を分ける水平分業へ向かう、自動車産業全体の構造変化を明確に映し出している。

 ホンダは、これまで開発してきた独自の車載OS「アシモOS」を推進する一方で、日産の一部技術を活用する方向で調整を進める見通し。自社のみで土台全般を抱え込むことが必ずしも市場での優位性につながらなくなった環境下において、共通基盤を他社と分担する手法は、デジタル産業の進展に合わせた合理的な連携形態として定着しつつある。

 ホンダは、なぜ独自の開発のみに固執せず、日産との共同開発に踏み切ったのか。その背景をたどると、自動車産業における競争の舞台がハードウェアとしての車両から、ソフトウェア基盤と顧客体験の提供へと移行している現実が浮かび上がってくる。

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