「なぜ大量増発できるのか?」 保有車両20両の東北三セク鉄道! 運行を支える54億円の存在とは
ねぶた祭で計68本を増発するなどフル稼働を見せる青い森鉄道。わずか22両の保有車両で乗り切る同社の強みの裏には、鉄道事業の売上25億円をはるかに上回る指定管理事業55億円という特有の財務体質があった。実質50億円超の支援を組み込んだ上下分離の独自モデルは、ローカル線維持の新たな解となるか。
青森ねぶた祭期間中のフル稼働

第三セクターの青い森鉄道(青森県青森市)は、青森市で2026年8月2日~7日に開催される青森ねぶた祭に合わせ、臨時列車を増発する。
期間中は、近距離区間を中心に普通列車・快速列車を増やすほか、2025年に続き、必ず座れる有料着席の特別快速列車を青森~八戸間に設定する。さらに、ネット予約に対応したライナーチケットレス乗車整理券も発売する。
また同社では、八戸市で定期的に開かれる館鼻岸壁朝市の開催日に合わせ、早朝から特別快速列車を設定しているほか、8月1日・2日には八戸三社大祭に合わせた臨時列車を運転する。
さらに冬季にも、沿線のリゾート施設と協力し、酒のあで雪見列車を10年前から運転している。車内では、県内各地域の郷土料理を詰め込んだあでセットと厳選した地酒を提供し、地元のお囃子団体による生演奏も披露するなど、季節を彩る催しとして定着してきた。
いずれも特定の季節や開催日に限られる需要だが、同社はこうした利用に対し、観光や催し向けの特別車両ではなく、普段使いの一般車両を活用した列車の増発で対応している。
見た目に大きな話題を呼ぶ車両ではないため、目立ちにくい取り組みではある。しかし、例えば青森ねぶた祭の期間中は1日最大13本を増発し、合計68本の増発を予定している。車両数や人員が限られる第三セクター鉄道としては、持てる力を最大限に使う運行となる。
ある意味で、同社が持つ余裕の大きさを感じさせる増発である。