「中古車、マジで高過ぎる……」 平均175万円、「中古なら安い」が通用しなくなった根本理由とは?
単価上昇がもたらす市場構造の変化

新車は高いから中古車を選ぶ。こうした考え方は長く自動車購入の常識とされてきた。しかし、その前提は大きく変わりつつある。
カーセンサー自動車総研の「自動車購入実態調査2025」(2026年3月10日発表)によると、2025年の中古車市場規模は前年比4909億円増の5兆3194億円と過去最大を更新した。一方で、延べ購入台数は303.7万台と大きく伸びておらず、市場拡大を支えたのは販売数量ではなく
「平均購入額の上昇」
だった。中古車の平均支払総額は175.2万円となり、前年から19.3万円上昇している。
この価格上昇の背景には、購入される価格帯の変化がある。これまで中古車の支払総額は50~100万円未満が中心だったが、現在は100~150万円未満が19.5%を占め、全体の中心価格帯が一段階引き上げられた。さらに市場をけん引しているのは29歳以下の若年層だ。彼らの購入率は4.64%と全年代で最も高く、レジャー目的などを背景に平均支払総額も全年代トップの203.2万円に達した。
市場が拡大した事実だけを見れば、需要が増えた結果だと捉えがちだ。しかし実態は
「より高い価格で取引される市場」
へと変化した結果である。ここには、2023年10月に義務化された支払総額表示の影響も見逃せない。以前は購入手続きの途中で加算されていた納車整備費や各種手数料が最初から店頭価格に組み込まれるようになり、表示される金額そのものが引き上げられた側面がある。。
ただし、制度変更による表示の変化だけが理由ではないだろう。かつての中古車市場は、
「使い古された車両を安く取引する場」
だった。それが現在では、車両ごとの残存価値が客観的に算定され、新車価格と連動して売買される二次資産の市場へと移行しつつある。現在の中古車市場を理解するうえでは、何台売れたか以上に、
「なぜ価格が上がったのか」
という価格形成の仕組みを捉える必要があるだろう。