日本車が抱える二重基準! 「納入先ごとに基準が違うのはなぜですか」100項目超の部品見直しは競争力を変えるのか

キーワード :
,
2025年に世界新車販売首位の座を中国勢に譲った日本車。激変するSDV時代のグローバル競争を制するため、業界全体で過剰品質の見直しが加速している。国内全14社や部品約100社が連携し、100項目超の部品基準を適正化するSSAを推進。現場の無駄を削ぎ落として生んだ余力を次世代開発へ振り向ける構造転換に迫る。

SDV時代へ向けた開発基盤の整備

自動車(画像:写真AC)
自動車(画像:写真AC)

 日本の自動車産業が長年強みとしてきた高品質は、日本車への厚い信頼を生み、世界市場での競争力を支えてきた。一方で、電動化やソフトウェア定義車両(SDV)への移行が進むにつれ、競争の軸は従来のハードウェア性能だけでなく、ソフトウェアやAI、データの活用にも広がっている。

 車は納車時の完成度だけでなく、購入後もソフトウェア更新によって機能が高まるものへと変わり、顧客が求める価値も変化している。こうした市場の変化を受け、メーカーの開発現場では、限られた人材や資金をどの分野に振り向けるかが大きな課題となっている。

 そのなかで、品質の基準や部品の仕様を見直し、開発の効率を高める取り組みが業界全体で広がっている。自動車関連の団体は、自動車部品におけるあいまいな品質基準を適正化するスマート・スタンダード・アクティビティー(SSA)活動を進めている。目的は、過剰な品質要求や、それにともなう検査の負担を減らすことだ。

 目指しているのは品質を下げることではなく、安全性の向上や新たな顧客価値につながる分野へ資源を振り向けることである。業界全体の課題は、日本メーカーを支えてきたものづくりの強みを維持しながら、SDV時代に対応した開発環境をどのように整えるかにある。

 本稿では、自動車業界が進めるSSA活動を通じて、産業全体で進むSDV時代の開発基盤づくりを追う。

全てのコメントを見る