「猛暑過ぎて、昼はもう外出しません」 休日の人流が「31度」で変化していた! 自動車利用に表れた新たな行動パターンとは
猛暑が書き換える需要の時間軸

猛暑日は35度から――そんな認識が広く定着しているが、人々の移動はその手前で静かに変わり始めている。
電通とunerry(東京都千代田区)が全国の人流データを分析したところ、生活者の外出行動は31度前後から変化し始めることが分かった。土曜日には昼間の外出を避けて夕方以降へ時間帯を移す一方、公共交通利用が多い都市ではこうした変化が比較的小さい傾向も確認された。
この結果は、いつ、どこへ、どのように移動するかという需要の時間軸や地域性を書き換え始めている可能性を示している。
31度から始まる行動変容

今回の調査は、2025年6月から9月までの全国47都道府県を対象に、人流データプラットフォーム「Beacon Bank」に蓄積されたデータを活用し、500m以上の移動を外出として分析したものだ。
最も注目される結果は、土曜日の昼間の外出率が前述の基準に達する前から低下し始めた点である。
さらに猛暑日では、土曜日の9~16時台の外出率が低下する一方、18~22時台は増加した。14時台の外出率は30度未満の日より最大1.9ポイント低下し、19時台は最大1.3ポイント上昇している。
一方、平日は昼間の外出はやや減少するものの、夕方への時間移動は限定的だった。日曜日は昼間の外出抑制がさらに大きくなるものの、夕方への移動はほとんどみられない。人々は移動をやめるのではなく、曜日によって時間帯を選び直していることがうかがえる。
調査対象は外出行動であり、自動車利用台数を直接測定したものではないが、自動車依存度の高い地域では交通需要も時間軸で変化するだろう。
例えば昼間の道路交通量が減少し、夕方に需要が集中するケースが増えれば、高速道路や主要幹線道路の混雑時間帯も変わるかもしれない。商業施設や観光地でも来訪ピークが後ろへ移り、自動車産業にとって重要なのは利用されるタイミングが変わる点にある。