北陸新幹線──JRは「巨大投資」を背負わなくて正しかったのか? 75%負担案で変わる鉄道経営の常識とは

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国鉄民営化から約40年。5.5兆円超へ膨らむ北陸新幹線の建設費を巡り、JRの負担率を75%(約4兆円)へ引き上げる新案が浮上した。費用対効果0.5の巨大インフラを誰がどう支えるのか。「国が建設、JRが運行」という従来の役割分担の転換を迫る、いわば「民営化第2章」の重い課題と議論の深層に迫る。

建設費高騰と75%負担案の背景

新幹線整備における地方負担のイメージ(画像:鉄道建設・運輸施設整備支援機構)
新幹線整備における地方負担のイメージ(画像:鉄道建設・運輸施設整備支援機構)

 今回、貸付料の75%負担案が浮上した背景には、北陸新幹線敦賀~新大阪間の建設費の高騰がある。小浜京都ルートでは、将来の物価上昇を見込んだ概算事業費が当初約4.8兆~5.3兆円とされていたが、国交省の最新の試算では約5.5兆~5.8兆円まで膨らんでいることが明らかになった。

 建設費が増えた要因としては、物価上昇や働き方改革にともなう労務費などの増加に加え、耐震対策や防災対策の見直し、発生土に関する条例改正、新大阪駅周辺の軟弱地盤への対応などが挙げられている。

 仮に総工事費5.5兆円の30%を貸付料とした場合、約3.8兆円が国や地方自治体の負担となる。さらに、その3分の1にあたる約1.3兆円が地方自治体の負担分となる。地方自治体の負担分については、90%を地方債で賄うことができ、元利償還金の50~70%についても国から地方交付税による支援を受けられる仕組みがある。

とはいえ、総工事費は大きく膨らんでおり、容易に受け入れられる金額ではない。特に京都府・京都市にとっては、桂川案や東西案などの場合、地下約50mの大深度駅となるため、工期は概ね20~28年程度と長期に及ぶうえ、既存のJR在来線への乗り換えにも約11~13分を要するなど、利便性の課題が残る。

 現在のサンダーバードでも京都~敦賀間は約1時間で結ばれている。未着工区間に限れば費用対効果(B/C)は0.5にとどまる事業であり、巨額の負担に見合う効果を見つけることは難しいのが実情だ。

 それでは、貸付料の75%負担案はどうか。仮に貸付料の負担を30%から75%へ引き上げた場合、JR側の負担総額は約4兆円となる。一方で、国や地方自治体の負担は約3.8兆円から約1.4兆円まで減らすことができる。

 しかし、それでも試算によっては京都府と京都市の負担は約500億円に達するとされる。整備新幹線の建設費が大きく膨らむなか、誰がどのように費用を負担するのかという仕組み自体が、現在の状況に合わなくなっている面があるのではないだろうか。

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