「ライバルの技術で車を作るのか…」 メルセデスがGitHub公開! 開発遅延最大3年で揺らぐ自動車開発の常識

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自前主義に頼る自動車産業で、空前の大転換が始まっている。開発の70~80%を占める共通基盤をオープンソース化し、負荷を最大40%軽減する協調の枠組みには主要32社が参画。競争の主戦場はハードの「売り切り」から、残る20%の独自機能が生み出す「継続的なサービス」へと急速に移行しつつある。

技術開放が示す付加価値の移行

自動車工場イメージ(画像:Pexels)
自動車工場イメージ(画像:Pexels)

「自社の技術は厳重に秘匿し、囲い込む」という自動車産業の長い常識が揺らいでいる。

 現在、Linux Foundationが主導するAutomotive Grade Linux(AGL)には90社以上が参画し、協調の輪を広げている。一方で、メルセデス・ベンツは車載開発基盤「ARDEP」をGitHub上で無償公開し、業界を驚かせた。

 一見すれば、これらはソフトウェア開発を効率化し、製品投入までの期間を短縮するための日常的な打ち手に映るかもしれない。肥大化する開発負荷に対処するための手段、という捉え方も可能だ。

 しかし、競合他社すら利用できる形で技術を開放する動きが、各所で同時多発的に起きている事実は、それ以上の地殻変動を示唆していないだろうか。従来であれば自社の優位性を捨てるに等しい行為である。

 車両の価値がハードウェアからソフトウェアへと移行するソフトウェア定義車両(SDV)化の波の中で、かつてエンジンやトランスミッションが担っていた競争力の源泉は、別の場所へ移りつつある。同じ基盤技術を共有する決断の背景には、どの領域を他者と調和させ、どこで自社ならではの収益機会を生み出すかという、事業構造全体のシフトが存在する。

 オープン化された技術の背後で始まっているのは、単一企業を越えた新たな協調関係の広がりだ。自動車開発の何が共有され、ビジネスの主戦場はどこへ移ろうとしているのか。産業の付加価値が移行する軌跡をたどってみよう。

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