駅の券売機に付いた“小さな端末”の正体とは? 10%に伸びたコード決済で進む交通現場の変化
キャッシュレス決済比率が58.0%(162.7兆円)に達し、コード決済が10.2%へ急伸する中、鉄道業界で乗車券売機の「外付け決済端末」による低コストDXが加速している。高額な設備更新を避けつつ多様な決済に対応する手法は、地方交通の維持と自治体の地域施策を結ぶ新たな切り札だ。その最前線を追う。
乗車券売機の外付け決済端末を巡る競争

キャッシュレス決済による乗車の仕組みが広がる一方で、あまり注目されないのが乗車券売機のキャッシュレス決済対応である。だが、この動きも、日本の公共交通で進む技術の変化や事業のあり方を考えるうえで見過ごせない話題だ。
もっとも、対応は簡単ではない。例えば、乗車券売機でPayPayなどのコード決済を使えるようにする場合、対応に合わせて券売機そのものを全面的に入れ替える方法は、かかる費用に見合う効果を考えると現実的ではない。そこで注目を集めているのが、今ある乗車券売機に外付けで取り付けられる決済端末である。
高額な設備更新を避け、今ある券売機を生かしたまま必要な機能だけを加える方法は、鉄道事業者にとって理にかなっている。それだけではない。地域の公共交通を支える自治体や国にとっても、限られた予算で駅の機能を新しくしていく手段となる。
高機能な自動改札機をすべての駅へ導入することが費用面で難しい路線では、外付け型の決済端末が地域ごとの決済環境の差を縮め、駅のデジタル化を着実に進める方法として広がりつつあるのだ。