トヨタも頼る「中国の頭脳」とは何者か? 68万台のクルマに入り込んだ“知られざる主役”、主導権を握るのは自動車メーカーか新勢力か

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約3万個の部品が紡ぐ伝統のピラミッド構造が崩壊し、自動車の主導権はソフトとデータへ移行した。2030年に中国EVの7割以上が淘汰される試算が示す通り、生き残りを賭けた変革が急務だ。台頭するファーウェイの垂直統合と供給68万台を誇るモメンタの水平分業。次世代エコシステムの覇権を巡る最前線を読み解く。

付加価値シフトと産業の再編

広汽トヨタbZ7(鉑智7)(画像:広汽トヨタ)
広汽トヨタbZ7(鉑智7)(画像:広汽トヨタ)

 かつて、自動車産業の主役は完成車メーカーだった。1台の車両を構成する部品点数は約3万個におよぶ。エンジンや変速機、車体、電子部品といった膨大な要素をサプライチェーンの下層が支え、最終的にひとつの商品へまとめあげる統合力こそが、長年にわたって価値の源泉であり続けた。

 しかし、その前提が揺れ動く。電気自動車(EV)へのシフトやソフトウェア定義車両(SDV)の潮流は、車両の競争力を左右する領域を、従来の走行性能から車載OS、自動運転AI、データ処理、さらには移動空間でのユーザー体験へと力強く変容させた。ハードウェアを集約する統合から、デジタル領域を束ねる統合へ。付加価値の集積地が、製造の現場から離れ始めている。

 この構造変化のなかで存在感を高めているのが、中国の通信大手・華為技術(ファーウェイ)と、自動運転技術を担うMomenta(モメンタ)だ。車載システムから電動駆動部までをカバーするファーウェイの垂直統合。対照的に、自動運転AIの知性に絞り込み、多数の完成車メーカーと提携を広げるMomentaの水平分業。

 ふたつのアプローチの対峙は、個々の企業戦略の違いにとどまらない。自動車産業が生み出す利益はこれからどこに集まり、誰がものづくりのリスクを負うのか。産業の新しい地図が、ここに描かれようとしている。

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