「好きな色は我慢します」 クルマ選びはもはや“売る前提”なのか? 株式投資の発想? 58%が希望条件を変えた根本理由
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「欲しい車」より「売れる車」へ――。物価高や残クレ普及を背景に、購入時にリセールバリューを意識する人が44.4%に達した。その6割近くが希望条件を妥協する背景には、損失回避を狙うミクロの合理性がマクロの同質化を招く「合成の誤謬」がある。資産化する自動車市場の地殻変動と、情報アクセス障壁の課題に迫る。
資産価値への関心と情報アクセスへの障壁

一方で、リセールを意識して購入した人の34.2%が「現在のリセールバリューを把握していない」という一見矛盾した結果も示された。
理由は「売却予定がまだ先であり調べる必要がない」が51.3%で最多だったが、2位には
「査定を申し込むと営業電話がかかってきて面倒」
が20.4%で入った。多くのオンライン査定では依頼後に事業者から連絡が入るため、相場だけを知りたい利用者にはこの連絡自体が利用をためらう理由になる。価格情報は存在しても、そこへ到達するまでの心理的負担が利用を抑制しているのだ。
他にも「調べ方がわからない」が16.8%、「価値が下がっていた場合にショックを受けたくない」が15.0%に上り、情報取得を妨げる要因は複数存在する。
この心理的ハードルの背景にあるのが「情報の非対称性」だ。中古車市場は専門知識を持つ事業者と持たない消費者の間に大きな格差が存在し、ジョージ・アカロフが指摘したレモン市場(質の悪い商品が出回る市場)の典型とされてきた。
消費者は適正な市場価値を把握できず取引に不安を抱きやすいため、現状のアクセス障壁はこの格差を温存し、自らの資産価値を正確に管理・活用する機会を阻害している。