「街の本屋は、このまま消えてしまうのでしょうか?」 出版ディストピアが迫る流通改革、「4割赤字」から始まる出版サプライチェーン再編

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物流の2024年・2028年問題を背景に書籍取次の配送費が約2倍に高騰する試算のなか、書店の約4割が赤字経営に陥っている。戦後約70年維持された固定的な利益配分モデルは限界を迎え、直接取引やオンデマンド印刷などサプライチェーンの転換が始動した。新たな流通モデルの展開を解説する。

問われるのは出版文化ではなく流通モデル

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 出版文化の維持発展を求める議論は今後も続くとみられるが、物流事業者が赤字を前提として全国配送を維持することは、新しい制度環境においても経営実態としても困難になっている。

 ここでの論点は、本の保護か物流の維持かという二者択一ではない。運賃の適正化が不可欠となるなかで、出版流通に関わる事業者が持続可能な形で利益を分配し合い、全国へ安定して書籍を届ける基盤を維持するための産業構造の転換である。

・生産を担う出版社
・流通を担う取次や運送事業者
・小売の現場である書店

が、それぞれの立場を超えてバリューチェーン全体の最適化へ踏み出す時期を迎えている。地域に書店が存在し続けるためには、民間企業による事業努力と並行し、国や行政などからの支援を視野に入れた枠組みづくりも求められる。

 今回の急激なコスト増は局所的な問題にとどまらず、長年続いてきた利益配分の仕組みや流通のあり方を抜本的に見直す契機となる。書籍価格の改定や、直接取引・オンデマンド印刷の拡大にともなう流通経路の多線化、店舗における非書籍ビジネスの拡張といった新たな収益源の創出へと連鎖していく。

 これらは次の時代に適合した持続可能な事業モデルを構築する過程である。物流を起点に、出版産業全体が新たな成長と再編へ向けた転換期にあるのだ。

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