「街の本屋は、このまま消えてしまうのでしょうか?」 出版ディストピアが迫る流通改革、「4割赤字」から始まる出版サプライチェーン再編
物流の2024年・2028年問題を背景に書籍取次の配送費が約2倍に高騰する試算のなか、書店の約4割が赤字経営に陥っている。戦後約70年維持された固定的な利益配分モデルは限界を迎え、直接取引やオンデマンド印刷などサプライチェーンの転換が始動した。新たな流通モデルの展開を解説する。
出版サプライチェーン激変の道筋

全国の書店市場は1兆円台を維持するものの、約4割の書店が赤字経営に陥っている。時間外労働の上限規制や運賃適正化を促す「物流の2024年・2028年問題」を背景に、書籍取次の配送費が約2倍に高騰するとの試算が出された。
これを受け、戦後約70年にわたり維持されてきた「出版社70%:取次8%:書店22%」という固定的な利益配分モデルは転換期にあり、新たな収益分配の枠組みへの移行が進む。
これまで出版流通の土台であった委託販売や再販制度といった特有の構造から脱却し、持続可能なサプライチェーンへ転換する取り組みはすでに始まっている。
この動きは出版産業にとどまらず、全産業が直面する共同配送の維持や、インフラの持続性確保という社会的な課題と重なる。新たな物流ネットワーク構築に向けた動向と、今後の展開を解説する。