自動車小売「4か月連続悪化」という現実――“作れても売れない”市場のねじれはなぜ起きたのか? 景気回復の裏で詰まる資金循環とは
国内景気DIが42.6へ改善する中、自動車小売は37.3と4か月連続で悪化した。政策金利1%到達にともなう金利上昇がローン利用を冷え込ませ、「作れても売れない」目詰まりを起こしている。本稿は、新車販売の停滞を機にアフターマーケットの拡充やSDVへの移行を急ぐ、産業構造の転換期を追う。
供給網の最終段階で起きる目詰まり

今回の特徴は、供給網の最終的な出口に近い領域で市場の動きが変わっている点だ。
半導体や生成AIへの投資活発化が製造業の改善や部品需要の回復をもたらし、好調な金融市場が銀行の収益を支える循環が生まれている一方で、金利負担の高まりが自動車ローンの利用を控えさせ、小売販売を抑え込んでいる。供給網全体は稼働しているが、需要を実購買へ結びつける最終段階で調整局面を迎えている。
この市場の変化にともない、各事業者の役割やバリューチェーン(原材料調達から販売・サービスに至る価値連鎖)の構造も変化している。新車や中古車の流通が鈍化する中、消費者は手元の車両を長く維持する傾向を強めている。景気動向調査においてメンテナンス関連を含むサービス業(46.5)が4か月ぶりに持ち直した動きも、この実態と合致する。
結果として、自動車産業では新車販売後に生じる二次的な市場「アフターマーケット」への注力が目立つ。レンタカーやカーシェアリングといった賃貸事業、リサイクル・補修部品の流通、車両整備、自動車保険などのサービス分野へビジネスの重心が移りつつある。販売後も顧客との関係を保ち、収益源を広げる動きが加速している。