6月から爆上げ「燃油サーチャージ」 そもそもなぜ変動するのか? 改めて解説する

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国際線航空券にかかる燃油サーチャージの大幅な引き上げが発表された。タイやマレーシアで現行の9800円から1万9600円に、ハワイで1万2700円から2万3600円になる。

ANAやJALは2か月遅れで金額を反映

JALの日本発国際線航空券における燃油サーチャージ、2022年6月1日~7月31日発券分(画像:JAL)
JALの日本発国際線航空券における燃油サーチャージ、2022年6月1日~7月31日発券分(画像:JAL)

 JALは2022年6~7月発券分として、燃油サーチャージを2022年4月19日に国土交通省に申請した。どの方面も軒並み値上がりしているのが、表から分かる。ANAも同様に燃油サーチャージを改定している。

 表の「ゾーン」とは、燃油サーチャージの金額帯のことだ。ケロシン1バレルあたりのシンガポール市況価格によって分けられている。JALの場合、ゾーンA(6000円以上7000円以下)からゾーンI(1万4000円以上1万5000円未満)まである。つまり、6月からのゾーンIは最高額となる。

 燃油サーチャージの仕組みは、国際線の航空券だけに存在するわけではない。日本では、地域航空会社のフジドリームエアラインズ(FDA)が、日本国内線で唯一、燃油サーチャージを徴収している。ANAやJALと異なり、燃油価格と為替レートの直近1か月平均の組み合わせで、1か月ごとに燃油特別付加運賃額を決めている。2022年5月発券分では、路線によって1900円、2000円、2100円となっている。

 新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウンで、世界の経済活動は一時停滞。その反動で現在、景気回復や石油需要の高まりに伴って原油価格は1バレル100ドル近くまで高騰した。

 ロシアとウクライナによる戦争、中東地域における緊張の高まりでの供給不安があおられたことも要因だ。ロックダウンによる景気低迷時期には原油価格は下落し、燃油サーチャージがゼロの時期もあった。

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