「関西の大手私鉄では最後の移行です」 本業比率43.8%の老舗が社名からHDを外した真意とは?
関西大手私鉄で最後に持株会社化したNANKAI。運輸業比率が43.8%と高い一方、不動産業が19.5%にとどまる同社にとって、沿線開発は巨大な成長余力を意味する。乗降者数がコロナ前比123%に回復したりんくうエリアのまちづくりを自ら主導。あえて「HD」を名乗らず、事業構造転換へ挑む新体制の戦略に迫る。
関西私鉄最後の持株会社移行

NANKAIは、南海電気鉄道(旧)を母体とし、2026年4月1日に発足した持株会社だ。現在の南海電気鉄道(新)は、分割準備会社を経て、NANKAIの発足と同時に鉄道事業を担う100%子会社として新たに発足した。
持株会社制への移行にともない、南海電気鉄道(新)のほか、阪堺電気軌道など、南海電気鉄道(旧)の連結子会社53社(2025年7月1日現在、「ハンドブックNANKAI2025」より)がNANKAIの傘下に入っている。NANKAI自体は新しく発足した会社だが、母体となった南海電気鉄道(旧)は1885年に阪堺鉄道として創業した日本最古の私鉄である。
関西の大手私鉄では、阪神電気鉄道と阪急電鉄が2006(平成18)年に阪急阪神ホールディングスを、近畿日本鉄道が2015年に近鉄グループホールディングスを、京阪電気鉄道が2016年に京阪ホールディングスをそれぞれ発足させ、持株会社制へ移行した。
南海電気鉄道は、関西の大手私鉄では最後に持株会社制へ移行した。ただし、同じ持株会社制でも、事業の範囲は各社で異なる。阪急阪神ホールディングスは、公式サイトによると、阪急電鉄、阪神電気鉄道、阪急阪神不動産、阪急交通社、阪急阪神エクスプレスの5社を中核会社とする純粋持株会社で、グループ全体の事業戦略の策定や経営管理、経営資源の配分を担っている。
近鉄グループホールディングスも、公式サイトには単体での事業内容の記載はないものの、新卒採用サイトなどでは
「グループ経営に関する事業」
としており、阪急阪神ホールディングスと同じく純粋持株会社であることが分かる。